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近年、物流会社に対する荷主企業の要求はますます高まっている。具体的には、物流コストの削減だけでなく、二酸化炭素の排出量削減(以後、CO2削減)も実現できる輸送システムを要求する荷主企業が増えている。なぜなら、製造業を中心とした荷主企業にとって、部品・製品などの貨物輸送に伴う物流コストの削減と、環境保護に配慮したCO2削減が企業生き残りの急務の課題となっているからである。

物流会社の陸上輸送は、これまでトラックが主な輸送手段であった。しかし、一時の石油など燃料費高騰の影響や環境保護に対する要求が厳しくなったこともあり、物流会社・荷主企業の双方からトラック中心の輸送システムを抜本的に見直す動きが出てきている。また、大型免許などを持っているドライバー確保など人件費の高騰も大きく影響しているようだ。貨物輸送の手段としては、(1)トラック(陸運)、(2)鉄道(陸運)、(3)船舶(海運)、(4)飛行機(空輸)などがあるが、物流コストの削減とCO2削減を同時に実現するために、これらの輸送手段を組み合わせて最適な輸送システムを提案することが求められている。

最近では、トラックの代替手段として、鉄道と船舶を利用する取り組みが注目を集めている。トラック、鉄道、船舶のなかで、もっともエネルギー消費効率が高く、燃料費高騰への抵抗力が強いのが大量輸送の容易な鉄道である。国土交通省の調査では、1トンの荷物を1キロメートル運ぶのに消費するエネルギーは494キロジュールであり、営業用トラックの20%程度となっている。また、CO2排出量も10%程度と圧倒的に少ない。このため、効率的な鉄道輸送の良さが見直されつつある。さらに、大量輸送手段として船舶を利用するケースも増えている。たとえば、東京から北海道や九州・沖縄など遠距離輸送を行なう場合、トラックと鉄道の陸運だけでなく、船舶の海運を組み合わせて輸送したほうが燃料費削減やCO2削減に貢献するという。

ある物流会社では、輸送手段ごとの物流コストをコンピュータでシミュレーションして、いかに組み合わせれば効率的な輸送システムを荷主企業に提案できるか検討している。具体的には、同じ貨物量と輸送区間で、全区間をトラックで輸送した時と、一部の区間を鉄道や船舶で代替した時の燃料費・人件費・CO2排出量を算出する。また、どのルートを選択してどこの港や駅を使うのが最も効率的か、輸送ルートごとに具体的なデータを用意して比較する。そして、輸送手段と輸送ルートの組み合わせによって、燃料費やCO2排出量がどのくらい削減できるのか、具体的な省エネ効果を算出する。荷主企業のなかには、このような見直しによって、2割から3割以上の削減効果を期待する企業も少なくない。

物流会社は、荷主企業の物流コスト削減とCO2削減の要求に対して、いかに効率的な輸送システムを提案できるか、最適な提案力が求められている。(文・経済ジャーナリスト 野口 恒)

物流コスト削減とCO2削減を同時に実現する、最適な輸送システムの組み合わせを提案

(2009年1月13日掲載)