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事例紹介

A社は、ITやインターネットを中心に各種ビジネス情報やアプリケーションソフトを提供する情報サービス会社である。同社は、ITバブルが弾けた2000年以降、経営環境の変化に対応するため、毎年自社のビジネスモデルの見直しに努めてきた。なぜなら、変化のスピードが予想以上に速く、苦労して構築したビジネスモデルも2〜3年経つと陳腐化し、収益モデルとして通用しなくなるからである。さらに、昨年に起こった世界的な不況は、A社にとって従来のビジネスモデルの根本的な変革を迫るものであった。
現在、A社がもっとも力を入れているのは、これまで推進してきた「成長性」重視の経営ではなく、足元の営業や業績、販路や顧客をきっちり固めて確実に利益を出せる「収益性」重視の経営である。一般にIT企業は2000年までITバブル景気が長らく続いたため、成長志向が企業体質になっているところが多い。また、企業経営を成長志向から利益重視へとギアチェンジに成功している企業は意外と少ない。
利益重視の経営へと見直しを図る同社は、営業戦略の改革を重点的に取り組んでいる。これまでの営業は、どうしてもITやインターネットに頼る傾向が強かった。もちろん今後もITやインターネットの活用は重要であるが、それだけでは顧客満足度を高め、さらなる顧客の信頼を獲得するには不十分である。顧客をがっちり掴んで収益機会を確実に得るには、フェイス・トゥ・フェイスで顧客と向き合い、ニーズに素早く応えて顧客の心をハイタッチで掴む泥臭いまでの「どぶ板営業」を身に付けることも大切である。同社の社長は、ネット営業のスピード性や効率性と、どぶ板営業の泥臭さをスマートに組み合わせた営業モデルを構築できないかと真剣に考えている。

A社と日頃付き合いのある飲食系情報サービス会社のB社は、首都圏を中心にインターネットを介して様々なグルメ情報を提供している。同社の情報サービスが多くのユーザに人気があるのは、バラエティに富んだサイト情報やお得なポイントサービス、クーポンサービスを提供するだけでなく、営業員が足を運んで得た掲載店舗のホットな情報や、ユーザから寄せられた口コミ情報などをきめ細かく収集・精選・編集して提供している点にある。
A社の社長は、これこそハイテクの利点とハイタッチの強みを上手く組み合わせたサービスだと考え、企業の経営戦略・事業計画・営業政策・業務改革などのニーズをきめ細かく収集・分析して、顧客企業に様々なアイデアや企画を提案するともに、営業員が得る業界のホットなビジネス情報や問題解決の成功事例や失敗事例を編集し、まとめたレポートを得意顧客に限ってネット経由で提供するサービスを開始した。

「これからは、ネット企業といえどもハイテクとハイタッチを上手く組み合わせた営業戦略を展開しないと、顧客から信頼を得ることはできない」とA社の社長は語る。不況の時こそ、ハイテクの利点とハイタッチの強みを組み合わせた営業モデルの構築が重要となる。(文・経済ジャーナリスト 野口 恒)

不況の時こそ、ハイテクの利点とハイタッチの強みを組み合わせた営業モデルの構築が重要

(2009年3月9日掲載)