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米国発金融危機による世界同時不況の影響で、情報サービス業界も非常に厳しい経営環境にある。多くの企業が予算の見直しやコスト削減を図り、IT・システム投資の縮小や凍結を行っているが、不況を乗り切るには、効果的な投資で業務システムの増強を図るとともに、ムダな投資を徹底的に見直してコスト削減を行う必要がある。システム増強とコスト削減の相反する目的を同時に実現するのは容易なことではないが、不況を乗り切るためには「発想の転換」も必要である。不況は、好況時に忙しくてできなかった企業の経営戦略の見直し、業務システムの抜本的な改革などに挑戦する絶好の機会である。そして、その際にカギを握るのがITの戦略的活用である。

情報サービス業界では最近、「スケールアウト」「クラウドコンピューティング」「仮想化技術」などに顧客企業の注目が集まっている。スケールアウトとは、CPUやメモリー、HD を増強することで1台のサーバの処理性能を上げる「スケールアップ」に対して、サーバの台数を増やすことで処理負担を分散させ、システム全体の処理性能を向上させる考え方である。比較的低コストで実現でき、事業や業務の変化に応じてサーバの入れ替えによるシステムの増強・縮小も容易に行えることから、可用性の向上も期待できる。クラウドコンピューティングや仮想化技術は、ネットワークを介して複数のユーザにサービスやアプリケーションの提供を実現するものである。ユーザは、自分のPCにアプリケーションなどを用意する必要がなく、業務に応じて必要なアプリケーションなどをネットワーク超しに利用することができる。企業にとっては、最新の業務システムやアプリケーションを利用できるだけでなく、自前でシステムを構築する必要がないため、投資負担を軽減することができる。ちなみに、これらの考え方や特色を取り入れた代表例がブレードサーバや仮想化ソフトである。ブレードサーバを導入することで、複数のサーバを一元管理することができ、省エネや省スペース化も期待できる。

情報サービス会社は、「不況時こそ企業変革のチャンス、効率的な戦略投資が極めて重要」であることをアピールし、それを実現するためのIT・システム投資の考え方や具体的な活用方法、活用事例などを顧客企業に提案する必要がある。「スケールアウト」「クラウドコンピューティング」「仮想化技術」の考え方や関連するサービスは、比較的予算に余裕のある大企業よりもIT・システム投資に悩む中堅・中小企業に馴染み易く、導入効果も期待できる。(文・経済ジャーナリスト 野口 恒)

不況時こそ企業変革のチャンス!カギを握るのはITの戦略的活用

(2009年3月9日掲載)