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最新動向

ギフト市場の需要がいま大きく変化している。一口にギフト市場といっても、結婚式の引出物や香典返し、中元、歳暮からバレンタインデー、出産祝い、入学・就職祝い、誕生日プレゼントなど、商品が多種多様であるため、その市場規模や実態を正確に掴むのは容易ではないが、業界では17兆円を超えていると予想している。最近では、これまで市場を牽引してきた中元や歳暮、冠婚葬祭の返礼といった儀礼的なフォーマルギフトの需要が不景気や虚礼廃止などの理由から減少傾向にある一方、親しい人や大切な人に日頃の付き合いやコミュニケーションの一環として贈るプライベートギフトやカジュアルギフトの需要は急速に伸びている。インターネット販売の普及などによって、いつでも簡単に様々なギフトを贈れるようになったことも影響しているのだろう。ギフト市場そのものは成熟しつつあるが、カジュアルギフトは今後の市場を牽引する分野として期待されている。

親しい個人間で贈るカジュアルギフトは、フォーマルギフトとは異なる特徴がある。ギフトの贈り手は通常の定番商品よりも高級な特注商品を贈ろうとする傾向が見られる。また、ギフトの受け手の嗜好やニーズに合わせて贈る商品も多様化している。
例えばカタログギフトは、フォーマルギフトを中心に拡大してきたが、最近では、商品の品揃えも国内・海外のブランド商品、希少な産直品、地方の特産物、自社開発したオリジナル商品など、カジュアルギフトを中心に多様化している。
また、カタログギフトといえば、これまでは圧倒的に「モノ」のギフトが多かったが、最近はモノよりもサービスが喜ばれ、好きな時に好きなだけ利用できる「経験型」のサービスギフトが伸びている。高級旅館やホテルを利用できる旅行券、観劇やライブハウス、カルチャースクール、陶芸教室、人間ドックといった医療サービスなど、その品揃えは多岐に渡っている。

ギフト市場は今後、消費者自身の様々な「経験」を通じて新たな経済的価値やこれまで味わったことのないような精神的満足感を提供するサービスギフトが成長していく可能性が高い。「経験経済(エクスペリエンス・エコノミー)」といわれるサービス社会では、消費者はもはや平均化したコモディティ商品やサービスには満足しなくなっている。経験という新たな顧客サービスを通じて、従来味わえなかった満足感や経済的価値を提供するサービスが喜ばれる。そのような事由からも、経験型サービスギフトは、「興味はあるが、自分でわざわざお金を払ってしようと思わない。しかし、誰かにしてもらいたい」という、顧客のわがままな需要を掘り起こせるものとして期待されている。今後は、モノギフトでは得られない高級感のあるサービスを一般の消費者に対しても適当な値段で十分楽しめるようにどう工夫していくかが、市場拡大の大きな鍵となる。

ちなみに、ギフト市場は企業を中心とした「法人ギフト市場」と個人相手の「パーソナルギフト市場」に分かれるが、そのうち、法人ギフト市場の規模は約6兆円といわれている。法人ギフト市場は景気の良し悪しに影響を受け易いため、今後はカジュアルギフトを中心に消費者の新たなギフト需要を開拓していくことが求められる。(文・経済ジャーナリスト 野口 恒)

フォーマルからカジュアル、モノからサービスへ。ギフト市場の需要がいま大きく変化している。

(2008年4月7日掲載)