お金が貯まらない人には、買い物や嗜好、行動に共通の様々な傾向があるといいます。
中でも
◆生活の中で、「豊かさ」を感じさせてくれる「ちょっといいもの」を求める
◆自分の好みに応えてくれたり、向上させてくれる存在には(金銭的にも)寛容
◆新しいものを好む
といった傾向を持つ人は、なかなかお金がたまらないと言われています。
大きな買い物を後先考えずガンガン購入してしまう、といった確信犯的な方は「もちろん」お金が貯まることはありません。それは単なる自業自得。しかし怖いのは「そんなに贅沢したり、お金を浪費したりしている自覚がない」方の場合でしょう。上記の様な「ほんの些細な」傾向性を持っているだけで、お金がたまらないというのですから。
例えば、ちょっとお洒落な洗剤やキッチン用具などを購入したり、高級なスーパーで「今日は特別!」「自分にご褒美」などと、こだわりの食材などを購入したり。週末に少しお洒落なお店でランチを食べる。こうした「ちょっといい」生活は、行動一つ一つをとれば数千円レベルのものかもしれませんが、積み重ねれば大きな浪費となってしまうのです。
実はこうした自覚なき浪費の傾向を持つ人は、色の好みに関しても、面白い共通点があります。それは「原色を好まない」という傾向性です。
世の中の製品には、製造されてから販売を終了するまでの、まるで人の人生のようなライフサイクルというものが存在しています。これは大きく4つの時期に分かれるもので、
といったもの。
実はこの製品のライフサイクルは、製品の色にも密接な関係があるのです。
「導入期」「成長期」の製品に対して人は「機能」や「品質」を重視する傾向が強くなります。
メーカー側でも、注力するのはまさにその部分で、色彩によって目先を変えたり、お手軽感を演出したり、といった考え方は割と入りにくい時期でもあります。
すると、こうした時期の製品の色の多くは、長くそばにあって飽きない「白」や、高級感を演出し、嫌う人の少ない「黒」、品質の高さをもっとも表現する「シルバー」といった色が多くなります。
これが、成熟期以降になると、ほぼ同じ機能を持ったライバル製品が多く発売されることになり、ライバルと「見た目」や「お得感」で差別化を計るため、安価でお手軽なもの!としての演出が取り入れられてきます。その演出の最たるものが多色化であり、中でも原色や明度の高い、いわゆるカラフルな色の製品ラインアップが店頭に並ぶ事になります。
ちょうど携帯電話の発売当初「黒」「白」「銀」のラインナップで広がり、現在のように多色に変化していったのもこれと似てると言えます。そして多色化は行くところまで行き、その役割を終えようとしています(スマートフォンは、カバーが製品色となってしまったので、この色のサイクルは当てはまりにくい)。パソコンや車(特に軽自動車)も色で見ればまさに成熟期以降の傾向を表しています。
さて、冒頭でご紹介したような「自覚なき浪費ぐせ」を持った人の傾向性ですが、生活の中で、「豊かさ」を感じさせてくれる「ちょっといいもの」を求め、自分に有益なものなら少々のお金はいとわず、新しいもの好きの方々でもあります。これを製品のライフサイクルに当てはめた場合、あきらかに「導入期」「成長期」にあたる製品を好みの対象としていると考えられます。
つまり新しい便利さ、自分をさらに豊かにしてくれる新しい製品を、価格競争なしの(ちょっとお高めの)定価で購入しているということ。そしてその色は、安さやカジュアルという洗礼を受けていない「白」「黒」「シルバー」といったものが多くなります。あるいは、カラフルなものであったとしても、高級で複雑なニュアンスをもった「グレイッシュ」な落ち着いた色のものです。
たぶん、それがキッチン用品であろうと、電子機器であろうと、あるいは雑貨であろうと、同じ色の傾向を持っているはず。さて、貴方の身辺に、「浪費」を感じさせる高級な、お金が身につかなくなる製品はどれくらい存在しているでしょうか。