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相続税

Q:前回のQ&Aで、会社オーナーから会社に1億円の貸付金があった場合には相続財産になると書いてありましたが、その相続時にその会社が債務超過状態であれば、貸付金の回収は不可能となり、相続財産にしなくても良いと聞きました。どうなのでしょうか。


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税理士 林卓也の税金Q&A 相続税編
Q: 前回のQ&Aで、会社オーナーから会社に1億円の貸付金があった場合には相続財産になると書いてありましたが、その相続時にその会社が債務超過状態であれば、貸付金の回収は不可能となり、相続財産にしなくても良いと聞きました。どうなのでしょうか。

A: 相続時に会社オーナー等が会社に貸しているお金が相続財産になるか否かの問題は実務上も非常に悩ましいものがあります。そもそも会社にお金がない為にオーナーから借りているわけですから、普通はオーナー遺族に返すお金もないでしょう。もし会社にお金があったとしてもそれを返してもらうと運転資金が滞る為、返してもらうこともできない。しかし相続財産として相続税を課税されると実際に遺族からお金は出て行ってしまいます。

この質問に対する答えのようなものが、国税不服審判所の裁決として出ました。オーナー遺族は、相続開始日において、会社の資産状況は債務超過で、現在の営業状況も赤字であり、この状態は相続開始前から続いているので、この貸付金の回収は困難であると判断すべきだと訴えました。しかし、審判所は、財産評価基本通達205により、貸付金の回収が困難であると判断するには、会社の貸付金が、

(1)手形交換所の取引停止処分等に該当しなければならない
(2)再生計画認可の決定等により切捨てられる債権の金額に該当しなければならない

とある為、このような事実がなければ認められない、しかも、相続時に会社の売上が著しく減少したとも認められないとして、この訴えを退けました。要するに、相続時に会社の事業経営が客観的に破綻している事が明白であり、債権回収の見込みがない場合でない限りは、オーナーから会社への貸付金は相続財産にしなければならないということです。

また前回ご紹介したオーナーの貸付金を増資する方法は、場合によっては、会社の地方税の均等割額を増加させることになるかもしれません。その辺をよく検討して相続対策などを考えましょう。
(2006年10月16日掲載)

※上記の内容は掲載日時点の情報に基づき一例を示したものです。
 詳細につきましては専門の税理士にご確認ください。

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