■ 朝日放送株式会社の業容について
-- あらためて、ABCの業容について教えてください
テレビ放送とAMラジオ放送を行う近畿のラテ兼営局です。テレビでは2003年から地上デジタル放送が開始され、データ放送、1セグ放送などサービスが多様化している中、インターネットなどを利用した、放送と通信の融合にも取り組んでいます。ニュースからドラマ、バラエティ、スポーツ中継など多様な番組も放送しています。
-- 谷田さん・蓑内さんが所属する部署について教えてください
私たちの所属部署は社内ではマスターと呼ばれています。社内各部署でメイキング、加工、修正された番組素材を、CMなどを含めた一連の放送プログラムとして放送事故がないよう最終チェックをしてOAしています。もちろん、放送という業務上、ABCのOAがある365日休みなくです。
放送局にとって非常に重要な役割を担っている部署として常に気が抜けません。また、今回システム化をお願いした、放送番組が公共の電波に乗り、受信したものをリアルタイムで録画し、一定期間保管する、OA同録も行っています。
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■ デジタル放送同時録画システム導入の背景
-- 今回なぜ、『TS同録』を導入されたのですか?
かつてのOA同録は、民生品を使用したテープデッキを複数台並べて24時間収録するのが一般的でした。今回新しい同録設備を導入する上で、地デジのデータ放送、番組情報、1セグ放送など多彩な付加サービスに完全対応することと、人手のかからないシステムを目指して、『TS同録』を設計しました。
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■ 日立エイチ・ビー・エムとの共同開発、商品化プロジェクトについて
-- コンペティションで、日立に決めた理由は何でしょうか?
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数社から『TS同録』をご提案いただきました。東名阪以外の地方でも2006年から地上デジタル放送が始まり、確実に需要が見込めるビジネスチャンスということで、各社とも積極的に提案していただきました。各社の提案は、既存製品をベースにしたパッケージで、運用を合わせていくものが主でした。その中で、日立さんの『共同開発』という提案に魅力を感じました。
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基本的には放送法で定められたことを実現すればいいのですから、既存製品のパッケージで問題はありません。しかし、ABCとしては、基幹システムを含め従来のシステム構築でも、使いやすさにこだわっていました。現場に即した自分たちの納得のいくシステムにしたいからです。
そういう訳で、『TS同録』も自分たちの要望を実現したシステムとしたかったのですが、予算的に厳しい面もありましたので、共同開発の提案は魅力的でした。テレビ局・利用者側のノウハウが活かせますから、日立側のメリットも大きいですよね。
もちろん、長期的に確実に動作しなければならない業務システムですから、ビジネスが下火になったからと対応を止められることは困ります。これまでもフリッカーの検知システムで導入前例はあった日立さんに期待し、共同開発を受け入れました。
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■ 共同開発プロジェクトの進捗
-- 日立エイチ・ビー・エムとの共同開発はどのようにして進められたのですか?
正直大変でしたね。
β版が完成したとの事で、東京へ確認に行きましたが、期待通りには動きませんでした。原因は、システム構築は仕様の打合せが非常に重要ということが分かってはいましたが、新社屋への移行プロジェクトなどで業務が重なり、十分な時間が取れずに要求仕様が伝えきれていなかったからです。ニュアンスが伝わっていなかったことですね。
しかし、ニュアンスの不一致がもどかしくて、こちらのテンションが上がったときも、担当SEの柿崎さんは冷静に対応してくれましたし、同じくSEの斉藤さんは、プロジェクトの進捗状況を分かり易くこまめに報告してくれました。
お互い少人数、低予算での共同プロジェクトでしたが、最後にはできる範囲の中で運用に耐えうるものに仕上げられたのも、柿崎さんたちの粘り強さと技術力が大きかったですね。
-- ご評価頂いた技術力を具体的に教えていただけますか?
柿崎さんたちはコンピュータ関連の技術には通じていても、デジタル放送関連技術は初めてと聞いていました。他社製変調機とのインターフェースやEPGデータの取得などに難儀すると心配していましたが、規格書を相当読み込んだのでしょう。きっちり対応してくれました。
また、わたしたちの要望は想像を超えていたかもしれません。実現できなかったこともありましたが、「こんなことを実現したいんだ」とリクエストをどんどんぶつけていきました。その度に柿崎さんは、四次元ポケットから道具を出すように具現化していましたね(笑)。
私たちの要望がコスト的に見合わないときは、代替案としてベリタスなどの普及品をうまく取り入れるなど、コストダウン力もありました。ただし、ベリタスとのインターフェイス部分には不満が残りましたが・・・。
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■ 納期よりもシステムへのこだわり
-- プロジェクトのスケジュールが遅れたようですが?
確かに予定スケジュール通りにはいきませんでした。ただ、共同開発の目的は、現場に即した私たちが納得のいくものを開発するということでしたから、それを達成するための行動でした。多少の機能を犠牲にして、納期を守ることも出来たはずですが、一つ一つ詰めながら進めたのですから、しょうがないですね。
-- 導入後の稼動状況はいかがですか?
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当初の目的は達成しました。視聴者からの問合せ対応などで使う再生機能も改善しましたし、テープ交換は一週間に一度の交換で済むようになりました。なかなかこの効果は説明が難しいのですが、サービス内容が多様化している中、私たちの部署にとってとても重要なことなんです。
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■ 今後に期待すること
-- 今後、日立エイチ・ビー・エムに期待することは何ですか?
今回のプロジェクトは、ABCとして共同開発するにあたり無理も言いました。だから、商品となって『InterBEE』(国際放送機器展)に出品されたのを見た時は素直に嬉しかったです。
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今後のことですが、ABCの必要性で言えば、新社屋移転に伴い、TS同録したものを社内ネットで各部署が再生できるとか、記録メディアの多様化といったことがありますので、引き続き『TS同録』を商品としてブラッシュアップしていきましょう。
また、放送業界は、放送形態とそれに付随する業務が更に複雑になっています。これはシステムの高度化が必要とされている事を意味しますので、システム化案件は増えると思いますよ。ROIに優れた提案であれば、『TS同録』以外でも日立さんにチャンスはあると思います。
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-- 本日は貴重なお話、どうもありがとうございました。
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