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経済ジャーナリストの野口 恒 氏が、業種・業務分野別に、業界動向やITの最新情報、活用事例等をレポートいたします。 → 一覧はこちら
(2008.3.24 Update)
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業種別IT活用実践シリーズ−製造業のIT活用 第14回
1)最新動向〜サプライチェーンに強いがディマンドチェーンに弱い日本のものづくり
2)事例研究〜中小企業の新規事業への挑戦を支援する東成エレクトロビーム
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2) 事例研究
『大企業にも負けない中小企業主体の新しいビジネスモデル構築を目指す。中小企業の新規事業への挑戦を支援する東成エレクトロビーム』
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東成エレクトロビーム株式会社(本社:東京都西多摩郡瑞穂町、上野保代表取締役社長)は、電子ビーム溶接やレーザー加工などで最先端の加工技術をもつ開発型の精密加工メーカである。同社は経済産業省・中小企業庁による「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれ、大臣賞も受賞している。
政府や経済産業省は現在、全国の元気な中小企業を支援して地域活性化・地域経済再生を推進する「産業クラスター・新連携事業」を進めているが、同社は、東京都、神奈川県、埼玉県にまたがる多摩地域の元気な中小企業が集まって新連携事業を推進する、社団法人首都圏産業活性化協会(TAMA協会)の中核企業として地域活性化や地域経済再生に取り組んでいる。
同社は一昨年の9月、福島県郡山市に郡山テクニカルセンターを設立した。センター設立の目的は、レーザー加工設備の導入を計画する中小企業に、最新のレーザー装置の情報を提供したり、レーザー加工技術を指導することで、新規事業への挑戦や事業開発の取り組みを支援することにある。
「いまレーザー加工技術の応用分野は非常に多岐に渡って広がっています。それだけビジネスチャンスが多いのですが、レーザー加工技術は専門性が高いため導入を躊躇したり、見合わせたりする中小企業も多いようです。中小企業が大企業でも作れない製品を開発して厳しいグローバル競争に勝ち抜くには、やはり最先端の技術を修得して独自の技術力を身に付けるしかありません。他社が容易に真似できない専門技術を持てば、中小企業でも大企業や中国企業に負けない競争優位に立つことができます」と上野社長は語っている。
同社がレーザー加工技術の導入利用を希望する中小企業に支援や教育などを行うのは、こうしたサポート事業のニーズが高いことと同時に、サポート事業を通じて中小企業主体のビジネスモデルをベンチャーで立ち上げ、中小企業の自立経営を支援したい、という強い思いがあるからである。現在、このサポート事業に参加する提携先はメーカのフェトン株式会社(神奈川県厚木市)、佐賀工業株式会社(埼玉県所沢市)、レーザ・ネット株式会社(神奈川県横浜市)などレーザーシステムの組み立てを行う5〜6社であるが、今後さらにメーカの提携先を増やして中小企業主体の新しいビジネスモデルの構築を目指していく計画である。
日本の元気な中小企業には、「元気なモノづくり中小企業300社」にも紹介されているように、優れた独自技術や熟練技能を持った企業がたくさんある。しかし、それらの技術・技能を組み合わせて、新製品や新事業を立ち上げ、独自のビジネスモデルを創造していく構想力が弱い。上野社長は、応用分野が広い最先端のレーザー加工技術を中小企業が修得することによって、これまでのような大企業の下請企業に甘んじない、中小企業が主体となり、お互いに連携して作る開発型のビジネスモデルを構築できるように支援していきたい、とも語っている。すでに、提携先企業とはITやインターネットを活用した、共通で利用できるプラットフォーム作りやレーザー加工技術のデーダベース作りに協力して取り組んでいる。
また、中小企業は自前のブランドを持つことで初めて自社の技術や製品に自信と誇りを持つことができ、社員の意識も高揚するという。中小企業が独自のビジネスモデルを作って自立経営を図るには、「独自技術の開発」と「自前のブランドを持つ」ことが重要だと、上野社長は強調する。

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