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経済ジャーナリストの野口 恒 氏が、業種・業務分野別に、業界動向やITの最新情報、活用事例等をレポートいたします。 → 一覧はこちら

バックナンバー(2007.12.25 Update)

業種別IT活用実践シリーズ−ITベンチャーのIT活用 第12回

1)最新動向〜これからは情報活用の効率化や時間生産性向上が企業競争力の源泉となる
2)活用手法〜大学発ベンチャーの成功は、専門家の参画がカギを握る

2) 活用手法
『大学発ベンチャービジネスの成功率を高めるには、専門家を参画させ、経営力を高めることが重要となる』

最近、ベンチャービジネス、特にTLO(Technology Licensing Organization:技術移転機関)等の大学発ベンチャービジネスに対して融資を行っている、ある銀行の担当役員を取材する機会があったので、早速金融機関から見た大学発ベンチャービジネスの実情を聞いてみた。

総務省の「平成19年科学技術研究調査」によると、日本の大学(国立・公立・私立を含む)は、「知の創造拠点」として約27.6万人の研究者(短期大学を除く大学の課程を修了した者(またはこれと同等以上の専門的知識を有する者)で、特定の研究テーマをもって研究を行っている者)を擁し、国や地方公共団体、民間、外国から合わせて年間約3.4兆円の資金が投入されている。そして、大学には科学・技術の優れた研究資源(シーズ)が多く、それらを企業のニーズと結び付けて新たなビジネスを起こす大学発ベンチャービジネスが期待されている。政府は、1998年に大学等技術移転促進法を施行して、大学が持っている研究資源の技術移転を支援し、1件当たり年間3000万円を上限として5年間まで総額1億円の助成と債務保証を行っている。こうした国のバックアップもあって、数多くの大学発ベンチャービジネスが立ち上がったが、経営を軌道に乗せた成功例は少なく、大学発ベンチャーのビジネス化への道はかなり厳しいのが現状である。

ベンチャービジネスには、「死の谷」と呼ばれる2つの厳しい難関があると言われる。その2つとは、研究開発段階での研究資源を商品化する時と、商品化したビジネスから利益を生み出し、投資回収する時である。それらを克服するには、前者では新規技術の価値を見抜く目利き、後者ではヒジネスの可能性を見抜く経営者の存在が不可欠である。

さらに、大学発ベンチャービジネスの成功率を高める方法として、先に登場した担当役員は専門家の活用が重要と述べている。
「1つ目の難関を乗り越えるには、研究開発の段階から誰にどうやって売るかを考え、詰めておく必要があります。具体的には、量産化・コスト・品質・カスタマイズ等を検討し、商品化について綿密に詰めておくことが大切です。2つ目の難関を乗り越えるには、ベンチャーキャピタルなどの専門家に資金調達や投資回収に関する意見やアドバイスを求めることが重要です。立ち上げたビジネスを、利益を出して投資を回収できるようにするには、優れた経営力と資金調達能力が必要です。ベンチャービジネスを成功させるには、すべて自分でやろうとせず、専門家の力を上手く活用してビジネスの“経営力”を高めることが重要です。」

大学発ベンチャービジネスの取り組みは、単に新規ビジネスを立ち上げるという成果だけでなく、疲弊・衰退した地域経済の自立的発展の中核的役割を担っていくことも期待されている。それは、大学発ベンチャービジネスの成功が、地域における産官学連携の重要な成功例にもなるからだ。

ベンチャービジネスの2つの難関をどう乗り越えるか


1)最新動向〜これからは情報活用の効率化や時間生産性向上が企業競争力の源泉となる

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