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経済ジャーナリストの野口 恒 氏が、業種・業務分野別に、業界動向やITの最新情報、活用事例等をレポートいたします。 → 一覧はこちら
(2007.7.9 Update)
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業種別IT活用実践シリーズ−ITと経営 第7回
1)最新動向〜消費者は情報の発信者にも商品の売り手にもなる
2)事例研究〜営業力強化を図るため、営業の見える化に本格的に取り組む
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1) 最新動向
『Web2.0時代に変化する消費者の役割。消費者は情報の発信者にも商品の売り手にもなる』
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「Web2.0」と呼ばれるネットワークの新たな潮流が起こり、それらを活用する個人の役割やビジネスの仕組みはいま確実に変わりつつある。
ネットワーク利用の第一波ともいうべきWeb1.0では、Webサイトが発信する情報を個人が受け取り利用するという形態が中心であった。しかし、第二波のWeb2.0では個人と個人を繋ぐ利用形態が広まり、多くの個人が自分のWebサイトを持ち、それぞれがブログやSNS等を通じて情報を発信し、仲間同士で情報を共有することで、社会や企業を動かす存在になってきた。
先にも述べたように、Web1.0とWeb2.0の一番の大きな違いは、ユーザ同士がインターネットを通じてお互いにコミュニケーションを図り、情報を共有できるようになったことにある。それまでマーケティングの世界では、個人は顔の見えない消費者として十把一絡げのマスとして扱われてきた。しかし、Web2.0以降、個人はそれぞれ個性をもった、顔の見える顧客(消費者)として認識されるようになった。
また最近では、ブログ、SNS、アフィリエイト・プログラム(成果保証型広告)、ドロップシッピング(無在庫・直送販売)といった新しい仕組みや手法を活用して、個人がネットビジネスの主役に登場しつつある。個人は情報・商品の単なる受身の消費者ではなく、自ら情報を発信し、商品を企画開発して売り手にもなったりする。Web2.0の世界では、ブログやSNSのように、個人が自ら情報を制作し、発信するメディア(CGM、Consumer Generated Media)や、個人が自ら制作し、配信するコンテンツ(CGC、Consumer Generated Contents)が急増しつつある。
ブログやSNSは無料で簡単に始められる。ブログの中には、アクセス数が月に数百万以上あるものも存在し、SNSの大手「mixi(ミクシィ)」の会員数は1000万人を超えている。そして、これら個人から発信される情報パワーは、消費者の意識や購買行動に非常に大きな影響を与えている。
また、アフィリエイト・プログラムを使って、人気の高いAmazon.comや楽天の商品販売のホームページにリンクさせれば、これによる売り上げの一部を「紹介料」として受け取ることもできる。さらに、消費者同士が集まって商品企画の智恵やアイデアを出し合い、自分たちが企画した商品のアイデアをメーカーに委託して試作・開発・生産することも可能である。その他にも、ドロップシッピングという受発注業務を完全にアウトソーシングする仕組みを自分のWebサイトに組み込めば、個人が商品の在庫を一切持たないで、顧客に直送販売できるネット店舗を持つこともできる。
消費者個人が一方的な情報の受け手、商品の買い手ではなく、情報の発信者であり、場合によっては商品の売り手にもなることができるのがWeb2.0の大きな特色である。かつて未来学者のアルビン・トフラーが、ネット時代の未来の消費者を、生産者にも消費者にもなりうる存在として「プロシューマー」(生産者(Producer)や専門家(Professional)と消費者(Consumer)を合わせた造語)と呼んだが、プロシューマーの存在はWeb2.0時代になり、やっと実現したといえる。最近のマーケティングの世界では、プロシューマーのような能動的で影響力のある消費者を、口コミやブログ、SNS、ネット・コミュニティ等の新たなコミュニケーション手段を駆使して組織化していこうとする「バイラルマーケティング」と呼ばれる手法も開発されている。
Web2.0のようなネットワーク社会の進展に伴って、消費者同士は今後ますます活発にパーソナルな情報を発信し、共有するようになる。それにより、ビジネス取引では消費者個人の影響力が今後ますます拡大していく可能性が高くなる。

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