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IT業界の巨人、グーグルの事業が携帯電話の世界にまで広がっています。と言っても、グーグル自体が携帯電話メーカになるわけではありません。グーグルは、携帯電話メーカやソフトウェア開発者が無償で利用できる開発プラットフォームを作成しており、その名称を「Android」と呼んでいます。

Androidを搭載した携帯電話は、T-Mobileというドイツテレコムの子会社から2008年秋に米国で販売が開始されました。まだ初期の段階ですが、Androidのインパクトは極めて大きく、また及ぶ範囲も広大になると考えられます。その理由は、Androidがオープンソースソフトウェアとしての性格を持っているからです。
オープンソースソフトウェアというと、Linuxを思い浮かべる方も多いことでしょう。その特徴を一言で言うと、ソフトウェアに関する情報が公開され、誰でも開発に参画したり利用できること。つまり、外部に開かれたソフトウェアだということです。Androidに話を戻すと、Android向けに様々なソフトウェアを開発したり、サービスを提供することが可能になります。

さらに、クラウドコンピューティングとの親和性も大きなインパクトとなると考えられます。クラウドコンピューティングのクラウドは雲を意味します。雲のように広がるインターネット上のサービスを自在に利用する、それが次世代ITの姿として注目されています。ITの「所有」から「利用」へという流れを加速させるクラウドコンピューティングと携帯電話が一体化すれば、ITの利用はさらに便利なものになるでしょう。

Androidのインパクトはまだあります。それは、組み込みソフトウェアの標準化を担っていることです。ハイテク技術が結集された携帯電話や自動車、家電製品などでは、組み込みソフトウェアの肥大化が問題となっています。ちなみに、自動車に搭載されているソフトウェアの規模は、一昔前のバンキングシステムを超えたとの声すらあります。その要因の一つとして、組み込みソフトウェアの標準化が進んでいないことが指摘されています。つまり、その担い手としてAndroidが注目されているのです。携帯電話のOSという枠を超えて自動車や家電製品にもAndroidが広がれば、その影響は日本の製造業全体に及ぶはず。もちろん、中堅・中小製造業のモノ作りにも波及することでしょう。

Androidは、産声を上げたばかりで日本市場にはまだ登場していませんが、多大な可能性を秘めていることは間違いないようです。今後の展開に期待しましょう。(文・フリーランス ライター 小林 秀雄)

(2008年11月17日掲載)