上場企業に内部統制を義務付ける、金融商品取引法の内部統制報告制度が2008年4月から適用されています。多くの上場企業は既に内部統制の仕組みを整えていますが、近い将来、株式公開を計画している企業も内部統制の確立を視野に入れて準備を進めていることでしょう。
内部統制の目的は、財務・会計データが真正であることを経営者が市場に対して宣言することにあります。そこで、内部統制の確立のためにERPパッケージを導入する企業が増えています。なぜなら、内部統制の基本は財務・会計データの信頼性を確保することであり、誰が何時データを入力したのかという記録を保存できる機能を財務・会計ソフトウェアが持つ必要があるからです。ERPパッケージにはそうした証跡を保存する機能が搭載されています。
最近のトレンドはERPパッケージとワークフローソフトを組み合わせることです。ワークフローソフトは、申請・承認という業務フローをIT化したソフトウェアです。これを使えば、誰が申請して誰が承認したのかという記録が残ります。そして、上長によって承認された案件だけを受注や売り上げに計上すれば、ミスや不正が起こり難い仕組みが確立できます。ERPパッケージに加えて、ワークフローソフトを使えば、内部統制のレベルが一段と高まることでしょう。ワークフローソフト自体は、新しいソフトウェアではなく、以前から存在するものですが、このように内部統制の確立に有効なツールとして期待されています。
また、ERPパッケージとの連携に限らず、業務の標準化・効率化という点でもワークフローソフトは効果を発揮します。申請された案件がどんな状態なのか、どこかで滞っていないか、画面を見れば一目瞭然となるので、業務プロセスの見える化やスムーズな決裁処理が実現できることでしょう。(文・フリーランス ライター 小林 秀雄)
(2008年6月30日掲載)