YouTubeやニコニコ動画など、一般の人々が動画を投稿して、利用者が視聴する動画共有サイトの人気が急上昇しています。自分のペットなど身の回りを撮影したものから、テレビCMやテレビ番組など、様々な動画がサイトに溢れています。なかには、著作権上、問題のある動画が流出しているケースもあり、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)というのが動画共有サイトの現状でしょう。
しかし、動画は「分かり易さ」を持っています。そして、それは企業のビジネスにとっても有効です。例えば、家電製品の調子が悪い時、その不具合が保守サービス(専門)の人間でなくても、ほんのちょっとした調整で簡単に直せる場合があります。そういった難度の低い作業を消費者自身に任せることができれば、担当者は部品交換など保守サービスの人間しか解決できないことに専念できます。でも、文章だけで消費者自身が作業できるようにアナウンスすることは容易ではありません。そんな時に動画でフォローできれば、消費者自身でも簡単に作業できることでしょう。
今や、動画はデジタルで撮影できます。そして、それを編集することもPC等で簡単に行えます。先日、あるテレビ番組で自治体の職員が市の魅力を伝える動画をYouTubeに投稿していると紹介していましたが、それは企業にも通じると思われます。例えば、自社のWebサイトに自社の技術や商品、サービスを紹介する動画を載せるのも良いでしょう。それは、新しい顧客や取引先を開拓する営業ツールにもなります。また、新卒者向けに先輩社員が仕事の中身について語る座談会も良いかもしれません。そして、人気のある動画共有サイトも同時に利用すれば、それだけ視聴される機会が増えるので、効果的な自社アピールとなることでしょう。
「ユーザが主役」がWeb2.0のキーワードですが、動画共有サイトの台頭は、まさにWeb2.0を象徴する動きと言えるでしょう。
一部の大手企業を除いて自前で動画を製作することは、少し前までは考えられませんでした。製作したとしても、一般の人々に公開するにはテレビCMなどに巨額の費用を投じなければなりませんでした。しかし、インターネットがそうした事情に変革をもたらしたのです。顧客や取引先、学生など、幅広い人々に企業の価値を伝えるメディアとして動画共有サイトは大きな可能性を秘めています。(文・フリーランス ライター 小林 秀雄)
(2008年3月3日掲載)