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【その他】思いどおりのシステム構築を支援するガイドラインが登場

自分の思いどおりのシステムがほしい、企業の経営者は常々こう考えているはず。しかし、それが難しいことも事実のようです。経済産業省が大手企業や中小企業のIT活用レベルを調査した結果(「情報経済アウトルック2004」)を公表していますが、その調査結果によると、「ITを活用できていない」と回答した企業は大手企業では約40%、中小企業では約60%となっており、多くの企業で投資したITシステムが社内で十分に活用できていないことを示しています。

では、なぜ構築・導入したITシステムが活用できていないのでしょうか。その最大の要因は、発注者(顧客企業)と開発者(ITベンダー)の間で起こる認識のズレにあるようです。そのズレを埋めるため、コミュニケーションによって「何をつくるのか」について互いの認識を近づけるわけですが、もしシステム構築の出発点やその途中で齟齬(そご)があると、顧客企業は「思っていたものと違う」と感じてしまい、一方のITベンダーは「要望されたものをキチンと構築したのに」という思いを抱くことになります。そして、それはどちらにとっても良いことではありません。

そこで、日立製作所やNTTデータ、富士通、NECなどのITベンダーが、情報システムにおける「仕様」について、顧客企業に分かり易い記述方法および合意方法を共同検討することを目的とした、「実践的アプローチに基づく要求仕様の発注者ビュー検討会(略称:発注者ビュー検討会)」を2006年に結成しました。そして、その検討成果の第一弾となる「発注者ビューガイドライン」が2007年9月に発表されました。このガイドラインでは、主にエンドユーザが直接利用する画面を設計するための指針を定めています。今後は、業務フローやデータモデルについても指針が作成される予定であり、完成すれば、顧客企業とITベンダーの間の共通言語としての役割を果たすと期待されています。

IT活用が上手くいっている企業を取材すると、そこには共通した成功要因があるように思われます。それは、「どんなシステムを構築するのか」を検討する要求定義の段階で徹底した議論を行っていることです。経営者や部門責任者、エンドユーザといった社内のステークホルダーが経営や業務に対する意見を述べ、そこからあるべきITシステム像を描いていけば、会社としてどんなITシステムを構築すればよいかが明確になります。
そうすれば、ITベンダーに対しても誤解のない要求を提示できるというわけです。発注者ビューガイドラインは、ITベンダーと顧客企業の相互理解を高めるためのガイドラインですが、ITシステムを発注する企業も参考になることでしょう。(文・フリーランス ライター 小林 秀雄)
(2007年12月17日掲載)

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