文書といえば、今やすっかり電子文書の時代になりました。報告書はワープロソフトで作成し、企画書はプレゼンソフトで作成するのが当たり前になっています。もちろん、メールは電子文書そのものです。そして、会社経営の基本業務ともいえる会計・経理分野も同様に、コンピュータで処理されています。また、既に電子データによる帳簿保管が認められ、文書の電子化は法律でも認められるようになりました。今後さらに電子化が進めば、「紙では駄目、電子データで提出して下さい」という時代になるかもしれません。今回は、そのような時代に向かいつつあるのを感じる財務報告書の電子化について紹介します。
金融庁では上場企業に対して、2008年4月以降、「XBRL」という文書フォーマットを用いた電子データで財務報告書を提出するように義務付けました。このXBRLは、XMLという文書フォーマットをベースに財務諸表などの記述に適した仕様として業界団体が制定した標準文書フォーマットです。なお、ベースになったXMLは、自動車業界や電機業界など、業界内部で電子商取引のための標準文書フォーマットとして既に適用実績があり、また、ショッピングサイトやネット書店の受発注システムにも取り入れられています。
この財務報告書の電子化により情報共有が進むことが期待されています。XBRLベースで記述された財務・会計情報が、金融庁や証券取引所のWebサイトなどで公開されれば、金融機関や投資家は企業の財務情報を容易に入手できるようになります。また、入手するだけでなく、自分の目的に沿って加工することもできます。
なお、財務報告の電子化は上場企業を対象に義務化されたものですが、義務のない中小企業もXBRLへの対応を進めています。会計事務所側がXBRLという標準フォーマットで作成された電子文書を基に仕事をするようになってきているからです。財務・会計はどんな企業にも存在する業務です。これから財務・会計関連の文書は、XBRL化に向かうことは間違いないでしょう。といっても、最近の財務会計ソフトはXBRLに対応しているので不安になることはありません。会計担当者を中心にXBRLへの準備を進めておくことが肝要でしょう。(文・フリーランス ライター 小林 秀雄)
(2007年8月20日掲載)