IT投資は「守り」から「攻め」へ。景気回復を背景にIT投資の姿勢が変わり始めています。しかし、IT予算を大幅に増額することは難しいのが多くの企業の現状でしょう。それでも、新しいことに取り組むためには、そのために使うお金を捻出する必要があります。そう、企業はIT予算の総額は変えずに、新たな投資に振り向ける道を探すという課題を解決しなければなりません。では、どうすれば実現できるのでしょうか。その話に進む前に、まずIT機器の導入動向を振り返ってみましょう。
まずひとつは価格の低下です。筆者自身、10年程前、当時の最高クラス(スペック)のパソコンを購入しましたが、確か40万円を超えていました。それが今や、メーカーにもよりますが、最高クラスのパソコンでも20万円前後で手に入ります。そして、その事情はサーバも同じで、エントリークラスのものは30万円程度で手に入ります(なかには、10万円を切る製品も登場しています)。これは企業にとって朗報です。
次に、サーバの購入形態(あるいは購入責任者といったほうがいいでしょうか)も変わりました。以前は、情報システム部門が購入するのが普通だったのですが、現在は現場の事業部門の意思決定と予算でサーバが購入されます。つまり、サーバというIT機器の根幹がコモディティ(日用品)となったわけです。
サーバが日用品と同じでいくらでも買えるという点では歓迎すべきことです。でも、そこに大きな問題が潜んでいます。そして、そのことがITコストを押し上げる要因ともなっているのです。
では、なぜコスト上昇につながるのでしょうか。部門ごとにサーバが導入された結果、100台、200台のサーバを抱える中堅企業もあります。一方で、サーバは常に面倒をみる必要があります。例えば、ウイルスの攻撃を防ぐために、最新の修正ソフトをインストールする等の保守作業が必要です。サーバが各部門に分散していると、保守担当者は各部門をすべて回って対応しなければならず、それが保守コストとなります。
パソコンがオフィスに普及し始めた時期に提唱されたTCOという考え方があります。TCOは、トータルコスト・オブ・オーナーシップの略で、パソコンの購入費用のみならず、パソコンを所有し続けることにかかるすべてのコストを計算しましょう、という考え方です。TCOで問題視されたのも、やはり保守コストでした。ITコストのうち、保守にかかるコストは70%を占めると言われています。これでは、新しいことは始められません。ITにかかる費用の大半が現在の機器の維持に使われているのですから。
では、どうしたらサーバの保守コストを削減できるのでしょうか。有力な解決策はブレードサーバを採用することです。ブレードサーバは、1つの筐体に数十台のサーバを収容でき、サーバの集約化を実現します。1箇所にサーバを集めれば、保守作業を効率化することができます。つまり、ブレードサーバは保守コストの低減に寄与するのです。その保守コストの削減分を攻めのIT投資へと振り向ける。これが、IT予算の総額を変えることなく、新しいことを始める方法です。経営者の皆さん、ブレードサーバによるサーバ統合を検討されてはいかがでしょうか。(文・フリーランス ライター 小林 秀雄)
(2007年7月17日掲載)