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第141回 『ハンカチ』

■ ハンカチの日

11月3日は文化の日。連休を作る等の理由により、祝日によっては毎年日付が変わるものもあるが、この日は何曜日であろうと祝日である。そして、この日は「ハンカチ(ハンカチーフ)の日」でもある。さらに、この記念日の制定には、あの有名なフランス王妃、マリー・アントワネットが関係していることをご存知だっただろうか。外出時の必須アイテムとして、今なお、人々に愛されているハンカチ。今回は、そんなハンカチについて調べてみた。


■ ハンカチの歴史

ハンカチの始まりは紀元前3000年頃まで遡る。エジプトで発掘されたダジュール王女の墓から精巧な麻の端切れが発見されており、手を拭いたり、汗を拭うために使われていたと考えられている。当時は布自体が非常に貴重なもので、特権階級の者だけに、このような目的で布を使うことが許されていた。勿論、庶民の間に広まることはなかった。また、紀元前1000年頃の中国(周時代)の彫像には、フリンジ(房飾り)で縁取られた布切れを提げている姿が見られ、ローマでは166年に、アウレリウス皇帝が市民に麻の小さなハンカチを皇帝の印として分け与えた、という記録が残っている。ただ、どちらも男性だけの持ち物だったようである。
ハンカチが一般大衆に広まったのは、中世ヨーロッパでのこと。ハンカチが、現在の婚約指輪のように、婚約の印として贈られるようになったのがきっかけである。また、戦場に向かう男性に、一緒に行けない自分の代わりとして、女性がイニシャル入りのハンカチを贈る慣習もあったらしい。

フランスでは、宮廷文化の黄金期に、宮廷婦人たちがレースのハンカチの美しさを競い合ったという。当時、レースは大変高価なもので、家柄はレースで分かると言われるほど、貴族はハンカチに執着していたようである。そして、18世紀の終わりに、マリー・アントワネットが政略結婚によってオーストリアからフランスに渡り、フランスの王妃となる。後のフランス革命の引き金とも言われている浪費生活等、彼女には様々な逸話があるが、このハンカチにもある決定を下している。それは、それまで丸や三角形等、様々な形をしていたハンカチを、彼女が一番美しいと感じる正方形に統一する、というもの。これ以後、現在に至るまでハンカチの形は正方形としてフランス内外に広まることとなる。

ちなみに、11月3日を記念日としたのは、日本ハンカチーフ連合会が1983年に、マリー・アントワネットの誕生日である11月2日に最も近い祝日を選び制定したことによる。
(2007年10月22日掲載)

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