





第122回 『冷凍食品』
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■ 欠かせない存在
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一昔前、子供たちがお腹を減らすと、母親は「おにぎりでも食べてなさい!」と言って電子ジャーのところに行き、おにぎりを握ってくれた。それが今、母親が開くのは電子ジャーの蓋ではなく冷凍庫。冷凍のおにぎり(焼おにぎりが主流のようです)を取り出して電子レンジでチン。お父さんの枝豆やおかずにもう一品のシュウマイなども同様で、今や家庭の食生活において冷凍食品は欠かせない存在となっている。冷凍食品の売り上げを見てもその傾向は明らか。市場全体(約6,692億円)が外食産業の不調から伸び悩んでいる中で、家庭用に限っては、売り上げがここ10年で1.5倍になり、全体の約3分の1(約2,375億円)にまで成長している。ちなみに冷凍食品とは、(1)下ごしらえしてある、(2)急速凍結してある、(3)包装してある、(4)品温をマイナス18度以下にしてある、という4つの条件を充たすもの。つまりちゃんとパッケージ化された加工食品で、鮮度を損なわないよう急速冷凍、保存しているもののことである(マイナス18度は世界共通の管理温度で、この温度で保存すれば1年間は品質が保証されている)。今回はそんな冷凍食品について調べてみた。
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■ 冷凍食品の歴史
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前述の4つの条件で初めて冷凍食品が作られたのは、1876年から翌77年にかけてのこと。フランス人シャルル・テリエがメチルエーテルを使った冷凍機を汽船に取り付け、牛肉をチルド(約0度)状態で100日かけてアルゼンチンからフランスへ輸送したのが始まりとされている。また翌年には冷凍技術をアンモニア圧縮式冷凍に切り替え、同航路で羊枝肉を冷凍(約マイナス30度)状態で輸送し、アルゼンチンやオーストラリア、ニュージーランドなどの牧畜国から欧州への冷凍輸送の道を築いた。この成功によって、シャルル・テリエは「冷凍食品の父」と呼ばれるようになる。
次いで1900年頃のアメリカでも冷凍食品が登場する。品物は「イチゴ」。イチゴは果物の中でも特に鮮度が落ちやすく、当時のアメリカにおいてジャム加工用のイチゴを輸送するために冷凍食品化したものだった。
日本初の冷凍食品もイチゴで、お目見えしたのは1930年(昭和5年)のこと。この冷凍イチゴはジャムの原料としてではなく、立派な加工品。糖液中に牛乳や生クリームを混入し、その中にイチゴを漬け、それを容器のまま凍結するという製品だった。ただご存知の通り、家庭においての冷凍食品の存在は、冷蔵庫あってのこと。日本の冷凍食品が本格的に普及していくのも、1952年に小型冷蔵庫(90リットル)の発売が再開されてからのこととなる。そして1965年以降、家庭用電子レンジが発売され、冷凍食品の需要はますます増えていくこととなった。
(2007年1月29日掲載)
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