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第102回 『風邪薬』

■ 風邪薬の役割

風邪とは身体の中に風邪のウイルスが入って起こる病気であり、さまざまな症状を引き起こすのはご存知のとおりである。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、発熱・・・本当に嫌なものである。皆さんも風邪にかかった時には、その対処法として、病院へ行ったり、風邪薬を飲んでいることであろう。
しかし、皆さんが飲んでいるその風邪薬は、「風邪を治す薬」ではないことをご存知だっただろうか?
簡単に説明すると、人は風邪をひくと、体内でいろいろな善玉細胞が活躍し、風邪のウイルスをやっつけようとする。その過程でくしゃみや発熱などの症状が現れるが、こうした諸症状は日常生活に支障をきたすことになるため、風邪薬はそれを押さえる仕事をしているのである。
つまり、風邪薬は風邪そのものを治すものではなく、風邪による症状を和らげるものだったのだ。
今回は、そんな風邪薬について調べてみた。


■ 風邪薬のはじまり

正体は風邪の諸症状緩和薬であった風邪薬だが、その歴史は驚くほど昔にさかのぼる。
初めて世の中に風邪薬を送り出したのは、なんと医学の父と呼ばれる偉大なギリシャの医師、ヒポクラテス。紀元前400年頃の話である。
ヒポクラテスはヤナギの樹皮や葉に鎮痛や解熱の作用があることを発見し、これを様々な痛みを和らげる薬として使ったらしい。風邪になった人々の症状を緩和するのはもちろん、出産のときの激痛を和らげるためにも使ったといわれている。
これは、本当に凄い発見であった。なぜなら、それから二千数百年経った今でも、この発見を基にした薬が、全世界で使われているのである。アスピリン、そう今では頭痛薬の代名詞のような薬である。
1897年、ドイツ・バイエル社のフェリックス・ホフマン博士によって生み出されたアスピリンは、ヒポクラテスがヤナギで使っていたサリチル酸と副作用の少ないアセチルサリチル酸を合成したものであった。
しかし、このアスピリンも、発明者のホフマン博士が父親のリュウマチの痛みを少しでも和らげる薬を作りたいという想いが始まりであり、リュウマチを直す薬ではなかった。
そんな事実を知るにつれ、人体の機能の素晴らしさ、回復力の凄さを改めて実感している今日この頃である。
(2006年4月24日掲載)

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