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第96回 『紅白の謎』

■ 紅白の意味するものは?

考えてみれば、日本人は様々なイベントで紅白を使用している。「紅白歌合戦」「成人式」「入学式」「運動会」「起工式」「落成式」「開会式」「結婚式」・・・。
しかし、なぜ紅白なのかご存知だろうか?
そもそも紅白には、「めでたさ」と「戦い」という極端に異なる二つの意味合いがある。しかし現実の日本人は、この相反する要素を何の違和感も無く自然に受け入れている。常識的に考えれば、戦いを表す二つの色は、間違っても「おめでたい」場所にメインカラーとして登場することなどありえないはず。やはり紅白の存在は不思議でならない。調べてみたところ、これには諸説あることがわかった。


■ 紅白諸説

「源氏と平家」説。
源氏と平家が戦った源平の合戦のとき、源氏は白、平家は赤を旗印にしたため、今日も力が似通った双方が勝負をする場合、紅白が使われるようになったという説である。
また、このとき源氏が白、平家が赤を使ったのにはもう一つ面白い話がある。「金持ち、貧乏」説というものだ。
当時、天下を治めブイブイ言わせていたのは平家。それに対して世の中をひっくり返そうと果敢に挑戦した源氏。しかし統治者と挑戦者では資金力が違い、暮らし振りも当然異なっていた。
武家でありながら、限りなく貴族的生活をおくっていた平家の人々。当時は位によって上衣の色が決められており、紅は最高の貴族階級を示す色だったのだ。つまり自分たちは統治者であり、貴族と同等の存在であるということを赤で示していた。
これに対して源氏が白を選んだ理由は、白旗だと上から字を書いてもはっきり読めるし、染める手間が省けるから。要するにお金が無いためであったのだ。
まあ、貧富の差はともかく、この説によって紅白歌合戦や運動会などがなぜ紅白に分かれて行われているのかは分かる。しかしそれならなぜ、おめでたい席にまで紅白が登場することとなったのか。
どうもこちらの紅白には戦いの紅白とは違う起源があるらしい。

「紅白は人生」説。
紅白は生死を表現しているという説である。赤は「赤ちゃん」という言葉があるように「生」。これに対して白は白装束があるように「死」を表している。紅白で生死、つまり人生そのものを表しているところからきた、というもの。
他にも、紅は「慶び」、白は「神聖」。赤は「厄除け・威力・畏怖」、白は「清浄・潔白・高貴」を表し、交互に並べられている、という説もある。
これらの説から、おめでたい時に使う紅白は、戦いの紅白とは別の意味であることがわかる。しかし、何となく違和感があるのも事実である。というのも、我々日本人は、お祝いと戦いの紅白を使い分けておらず、同じ感情の延長線上で、運動会でも結婚式でも紅白を自然に使っている気がしてならないのだ。
そんな思いを納得させてくれるのが「仲直り」説である。
源氏は白で、平氏は赤。紅白とはこの敵味方が一同に介し、仲直りした姿を現したものという説である。なるほどこれはめでたい。平和の象徴というわけである。
日本の国旗にもそんな願いが込められているのかもしれない。
(2006年1月30日掲載)

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