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第85回 『ボールペン』

■ 正式名称は・・・

万年筆、シャープペンシル、鉛筆などさまざまな筆記用具の一つであるボールペン。英語ではBallpoint Pen(ボールポイントペン)、Roller Pen(ローラーペン)、Gel INK Pen(ジェルインクペン)などの名称で呼ばれている。しかし日本人としては、英語としては間違っていても「ボールペン」のほうが馴染み深い名称である。今回は、そんなボールペンについて調べてみた。


■ ボールペンの歴史

ボールペンの製作には2つの大切な要素がある。一つはボールが回転するペン先。この極小のボールを作り出す技術とこれをしっかり固定する技術が必要となる。もう一つはインク。ボールの回転に従い、文字を書くのに適した量が出てこなければならない。ボールペンの歴史とは、このペン先とインクの進歩の歴史といえる。
1884年、世界で最初にボールペンを発明したと言われているのは、アメリカのジョン・ラウドという人物である。しかし、彼が生み出したボールペンはインク漏れがひどく、とても文字を書けるようなものではなかった。
その後、ボールペンの生みの親ともいえるハンガリーのラディスラオ・ピロという人物が改良を行なった。 彼は新聞の校正に携わっており、長時間使用できる便利な筆記具を必要としていた。そこでボールペンを使うことを思いつき、問題となっていたインク漏れを解消すべく、インクに粘着性を高める素材を入れた。さらにそのインクを細い管に入れることで漏れを防ぐことに成功したのである。この発明により、ボールペンはその後一気に世界中に普及していくことになった。

日本においてボールペンが使われだしたのは戦後のこと。海外に行った人のお土産や、進駐軍が持ち込んだものがきっかけになったといわれている。
しかし、国内産のボールペンが普及するにはそれからかなりの年月が必要だった。その理由は、ペン先のボールを作り出す技術が非常に高度なものであり、国内生産を行なう上で最大の問題となったからである。さらに、ちょっと意外にして大きな問題もあった。
それはインクの色。
当時、海外で使われていたインクは青が主流だったが、墨文字に慣れ親しんだ当時の日本人にとって、文字の色といえば黒。青い文字には違和感があったのだ。(事実、国内出荷や、日本同様に墨文字文化の歴史を持つアジアへの輸出では今も黒インクのボールペンが主流で、それ以外の地域への輸出では青インクが主流となっている。)
現在でも正式文書には黒インクを使う人が多いと思うが、これも日本人の遺伝子の働きによるものなのかもしれない。
(2005年9月12日掲載)

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