





第220回 「拡大・再編に拍車がかかる動画配信市場」
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市場調査会社のcomScore,Inc.が発表した最新のオンライン動画視聴調査によると、2007年12月における米国内での視聴回数が過去最高を記録したそうです。また、米国内のインターネットユーザが2007年12月中にオンライン動画を視聴した回数が100億回の大台を突破したとも発表しており拡大が続いています。
昨年はAmazon.comが参入するなど話題の多かった動画配信市場ですが、今年は早くも、さらなる活性化が期待できる大きな動きがありました。
株式会社アクトビラは2月12日、TSUTAYAグループでデジタルコンテンツの供給事業を行う株式会社TSUTAYA BBと動画配信サービスに関する契約を結んだと発表しました。これにより、TSUTAYA BBとアクトビラは共同で、3月1日よりアクトビラのポータルサイト「アクトビラ」内に動画配信サイト「TSUTAYA TV」を開設し、デジタルテレビ向けビデオ・オン・デマンドの動画配信サービスを本格的に開始するとのことです。
アクトビラとは、デジタルテレビ市場の普及・拡大を目指して、株式会社日立製作所など6社が共同で出資し、FTTHやADSL、CATVなどブロードバンドの利用が可能な環境であれば、プロバイダーを問わず無料で利用できるデジタルテレビ向けポータルサービスです。番組関連情報をはじめ、ニュース・天気・株価などの生活関連情報や映画・音楽・アニメ・ドラマなどの動画(有料)を楽しむことができます。
今回の提携については、サービス開始時は劇場映画の予告編映像やTSUTAYAグループが保有するランキング情報(映画・音楽・DVD等)などを無料で提供し、今春予定の本格的なサービス展開時には、ハリウッド・メジャースタジオの作品を含む約100タイトルを配信し、その後も洋画・邦画・ドラマといった幅広いジャンルのコンテンツを中心に、ラインナップを順次拡大していくとのことです。
今回は、CDやDVDの販売・レンタル最大手であるTSUTAYAが、配信先としてPCではなく、テレビを選んだことに大きな意味があると思われます。自社のDVD・CDレンタルサイト「TSUTAYA DISCAS」では以前から有料の動画配信サービスを展開していましたが、PCを敬遠しがちな年齢層も新たな顧客として獲得したいという狙いもあるのでしょう。いずれにせよ、アクトビラ対応のテレビの普及が進めば、動画配信市場はさらに拡大し、サービスの内容も多様化していくことでしょう。
ちなみに、米国では世界最大の小売業である米ウォルマート・ストアーズもインターネットを使った動画配信サービスに参入すると発表しています。販売価格は新作映画が12ドル88セントから19ドル88セント、旧作は7ドル50セントからで他社とあまり変わりませんが、10社を超える映画・テレビ会社と提携し、3000種類以上の作品を販売することから、この参入が米国の動画配信市場に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
このように、TSUTAYAと米ウォルマート・ストアーズという、日本と米国それぞれのDVD販売の巨人が、時を同じくして動画配信市場に一石を投じたことで、市場の拡大・再編が一気に加速するものと思われます。今年はどんな展開が待っているのでしょうか、今後の動きに注目したいと思います。
(2008年3月3日掲載)
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