





第211回 「革新的な操作性を実現するiPod touch」
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Apple社は9月6日、新型のiPodとなる「iPod touch」の発売を発表しました。この製品は、米国で販売されているApple社のスマートフォン「iPhone」に似たインターフェースで、電話機能はありませんが、音楽再生だけでなく静止画や動画の再生にも対応しています。本体サイズは、高さ110mm、幅61.8mm、奥行き8mm、重量120gで、ディスプレイには3.5インチ(対角)ワイドスクリーンを搭載し、480×320ピクセル(163dpi)の解像度を実現しています。
実際に手にとってみて、まず驚くのは、本体には操作ボタンがなく、3.5インチのワイドスクリーンだけが存在していることです。では、どうやって操作するのかというと、「マルチタッチスクリーンテクノロジー」という革新的な操作方法を用います。具体的には、画面上で指を動かしたり、はじいたりするだけで全ての操作が可能で、さっと指を縦に動かすと画面が滑らかにスクロールし、表示された写真上で親指と人差し指を広げたり狭めたりすると写真の拡大・縮小ができます。また、加速度センサーが搭載されており、ディスプレイを縦長から横長に回転させると画面のコンテンツも自動的に方向転換し、横長の画面に正しい縦横比で表示されます。さらに、アンビエントライトセンサーによって、周囲の明るさに応じてディスプレイの輝度が自動的に調整されます。これは、もう凄いと言う以外ありません。なお、液晶ディスプレイに表示される立体的な操作アイコン等のデザインの良さは、さすがはApple社と言えます。
その他にも、「Wi-Fi」と呼ばれる802.11b/gの無線LAN機能やWebブラウザ「Safari」を搭載しており、PCを介さなくても「iTunes Wi-Fi Music Store」にアクセスすれば音楽や動画コンテンツ等を購入できます。
この製品で注目すべきところは、やはり上述したような直感的な操作を違和感なく実現したことです。利用者の使い勝手を追求していくと、バーチャルなコンテンツを実際に手で扱っているような臨場感を出すには、従来のボタン式の操作方法では限界があるということなのでしょう。ゲーム業界大手の任天堂が販売する新しい操作方法を搭載した次世代ゲーム機「ニンテンドーDS」や「Wii(ウィー)」等が人気を博しているように、これはDMP(デジタルミュージックプレーヤー)業界だけでなく様々な業界でも同じ流れにあると思われます。
ちなみに、私の予想では、日本での「iPod touch」の販売は、今後発売されるであろう日本版「iPhone」への布石ではないかと考えます。三つ巴の熾烈な争いを繰り返す日本の携帯電話業界に一石を投じる前に、本製品で今までと異なる操作方法に慣れてもらい、使い易さを実感してもらった上でスマートフォンの販売に踏み切ることも可能性として大いに有り得ることでしょう。
iPod touchの登場は、携帯端末の世界を大きく変える可能性を秘めています。iPhoneとともに、今後の動きに注目していきたいと思います。
(2007年10月15日掲載)
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