





第209回 「変わるか、携帯コンテンツ・ビジネスの勢力図」
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携帯コンテンツは、着メロ(着信メロディー)から始まり、待ち受け画像、着うた、写真集、漫画、デコメール、ゲームなど、時代とともに進化しています。ビジネス面でも、多くの新興IT系企業が参入してマーケットを広げ、(株)インデックス・ホールディングスや(株)サイバードホールディングス、日本エンタープライズ(株)などの企業が上場しました。そして近年では、パケット定額制によってコンテンツ容量の制限がなくなったこともあり、携帯コンテンツ・ビジネスの勢力図も大きく変わろうとしています。
携帯コンテンツで現在、特に注目されているのが動画配信です。以前にフロントメディアが運営する携帯電話向け動画配信サイト「Qlick.TV(クリック ドット ティービー)」などを紹介しましたが、最近では、映画会社といった映像・コンテンツの大手企業が攻勢をかけています。その主なものとしては、松竹(株)と三井物産(株)が共同設立した携帯電話・ブロードバンド向け有料動画配信サービス会社である(株)ドーガ堂の「ドーガ堂」や、角川グループの(株)角川モバイルが運営する総合バラエティ動画配信サイト「iムービーゲート」などがあります。特にiムービーゲートは、立ち上げ時500タイトル、年内計画値1,500タイトルと、映像・コンテンツの製作・配給を行なう会社だけに、そのコンテンツの数も圧倒的です。
勿論、既存のIT系企業も参入していますが、自社で映像・コンテンツを所有していないため、CP(コンテンツ・プロバイダー)からモバイル配信権を得て、サービスを提供するしかありません。携帯コンテンツで新しいサービスが生まれると、今まではIT系企業がその多くをリードしてきましたが、今回の動画配信はそうは行かないかもしれません。なぜなら、携帯キャリア各社は次世代高速通信インフラを導入しており、従来ではそのまま配信できなかった長編コンテンツもクオリティを維持したまま配信できるため、クオリティの高いコンテンツを所有する企業が今後優位に立つ可能性があるからです。また、動画配信は既存コンテンツの2次利用がほとんどでしたが、他社との差別化という点で、今後はオリジナルのコンテンツを製作する必要があると考えられます。そうなると、制作のノウハウや人脈が豊富な映画会社などが俄然優位になります。特に映画会社の場合、携帯コンテンツとして1次利用した後に、放映権の販売やパッケージ(DVD)化して販売するノウハウや流通も備わっているため、高額な製作費をかけてクオリティの高いコンテンツを製作しても回収率を上げるスキームが組めます。
一方、現在のところ、IT系企業にはここまでの構造がありません。つまり、ここに従来の勢力図を覆す可能性があるということです。
2007年は、携帯動画元年として今後も新興企業の参入や新規サイトの登場が予想されますが、今まで携帯コンテンツのマーケットを牽引してきたIT系企業が、満を持して参入してきた映画会社に逆転を許すのか、大いに注目したいと思います。
(2007年9月18日掲載)
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