





第205回 「スマートフォンは日本にも根付くか」
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今夏の携帯電話市場は、前回お話した「DoCoMo 2.0」の登場などにより、キャリア各社の熾烈な争いが予想されますが、主に法人向けに販売されているスマートフォン市場でも熱い季節となりそうです。今回は、日本でも盛り上がりつつあるスマートフォン事情についてお話します。
スマートフォン(Smart Phone)とは、携帯電話やPHSと携帯情報端末(PDA)を融合させた多機能携帯端末です。その火付け役としては、2005年に発売されたウィルコムの「W-ZERO3」が有名です。音声定額やデータ定額にも対応し、外出先でPCの代わりとなるため、ビジネスマンを中心に浸透しました。その後、後継機となる「W-ZERO3 es」も人気を博し、モバイルPCを持ち歩けないビジネスマンや学生を中心にその需要を広げています。
また、新規参入のイーモバイルは今年の3月末から、一部の都市に限られますが、高速パケット伝送技術であるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式で、下り(受信)最大3.6Mbps、上り(送信)最大384kbpsの定額データ通信サービスを開始しました。ドコモやソフトバンクモバイルもHSDPAに対応した新製品を投入しており、キャリア各社がスマートフォンに本腰を入れ始めています。
では、何故ここにきてスマートフォンが注目されているのでしょうか?上述した通信環境の整備もあるでしょうが、大きな要因として、インターネットのライフライン化とセキュリティ面の改善が考えられます。
近年、メール等を使ったコミュニケーションや検索サイトを利用した情報収集は、仕事・プライベート問わず必要不可欠となり、外出先でメールをチェックしたり、Webを閲覧したりといった需要が拡大しています。一方、企業ではデータ流失の防止や個人情報保護等の観点から、セキュリティ面の対策・強化が不十分なモバイルPCの持ち出しを禁止したり、会社のネットワーク以外へのアクセスを制限するケースが少なくありません。これは、仕事上のやりとりの多くにメールや資料送付が必要とされていることを考えると、非常に矛盾した状態と言えます。そこで、手軽に持ち歩けて、メールやWeb、簡単な添付書類の確認・修正、スケジュールやアドレス等のデータの同期が行える便利なスマートフォンが注目されているというわけです。
セキュリティ面では、シマンテック社がWindows Mobile向けのセキュリティソリューション「Mobile AntiVirus 4.0 for Windows Mobile」の提供を開始しており、他のセキュリティサービス会社やキャリアでも、特定機種に対応したセキュリティサービスを提供しています。このように、不安視されていたセキュリティ面についても、着実に改善されつつあるようです。
また、キャリア各社の様々な端末が出揃い、利用者の選択肢が増えたことも要因のひとつと言えるでしょう。
1980年から1990年代には、ビジネスマンの必須アイテムとして、電子手帳がブレイクしました。ユビキタス時代の到来を間近に控える昨今、「いつでも、どこでも」を実現するこのスマートフォンがブレイクするかもしれません。また近い将来、法人から個人へとすそ野を広げつつあるスマートフォン市場と、1億台を越え個人から法人へと新たなマーケットを開拓したい携帯電話市場との衝突・融合が起こりそうな予感もします。今後の動向に注目していきたいと思います。
(2007年7月2日掲載)
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