「ハイブリッド車両の特徴を一言で言えば、従来のディーゼル車両が、ブレーキ時にエネルギーを熱として消費していたのに対し、ハイブリッド車両では、このエネルギーを蓄電池で回収すること。これにより、10%の省エネが可能になっただけでなく、ディーゼルエンジンから排出される有害物質、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)を約60%低減できるようになりました。停車中にエンジンを停止できるので、駅構内で静かなのも特徴的です」
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開発の要の一つは、制御装置にある。ハイブリッド車両では、発車時、加速時、ブレーキ時で、それぞれエネルギーの流れが変化する。発車直後は蓄電池に充電された電力だけでモーターを駆動。加速時はディーゼルエンジンを起動し、発電機と蓄電池、双方の電力によって、車輪を駆動する。ブレーキ時はエンジン発電を停止、モーターを発電機として利用して、そこで生まれたエネルギーを蓄電池に回収する。これらのエネルギーの流れをいかにマネジメントするかが鍵となる。
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「ハイブリッド駆動システムでは、システム各部における電力の監視と蓄電池の充電量を常に管理し、状況に応じて各統制部に指令を出しています。万一、蓄電池の一部に異常や故障があった場合はすみやかに異常部分を切り離して、運転を継続できる仕組みになっています。また、小海線は起伏に富んだ地形を走っていますから、そうした地形データを考慮して、より効率的なエネルギー制御を行うことも可能です」
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実は、これらの制御システムは、電力を扱うことから電車の制御システムに似ている。機械部品を削減し、主要な電気部品も電車と共通化を図ったことで、メンテナンスの負担も低減できるようになったという。これまで日立が、鉄道車両の開発および制御・監視システムで培ってきた経験が十分に生かされることになったのである。
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そうした意味では、開発のネックとなったのは、むしろもう一つの要、電池だった。
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「電池を積むことで車両が重くなりすぎるようではハイブリッド車の効果がありません。電池を軽くすることが大きな課題であり、その解決策としてエネルギー密度に優れたリチウムイオン電池を採用することにしました。リチウムイオン電池の使い方にも工夫があります。
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皆さんが日常的に使っている携帯電話のバッテリーを思い浮かべてみてください。ケータイも、リチウムイオン電池を採用していますが、鉄道車両の安定した走行のためには、さらに厳しい環境下で、最低でも8年程度は性能を維持することが必要でした。電池の性能低下を抑えるために、電池の充放電範囲を制限し、満充電や完全放電をさせない使い方をしています」
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鉄道車両用ハイブリッド駆動システムとして、一から開発を行わなければならなかった。にもかかわらず、着手してから、およそ6年で実用化が実現。その驚くべき開発のスピードは“技術の日立”を象徴している。
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「今後、老朽化したディーゼル車が、ハイブリッド車両に変わっていくのではないかと考えています。あわせて、ハイブリッド車両の次の段階、さらなる環境負荷の低減を狙って“燃料電池ハイブリッド車両”など、異なる形態のハイブリッドシステムの開発も見据えていきたいですね」
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