予測では、この健診で被験者の30%以上、つまり2000万人近くがメタボリック症候群、および予備群と判定されると見られています。これらの人々は定期的に地域の診療所などに通って検査や食事・運動指導などを受けなければならない。これはもう、健康に向けての国民運動といっていいでしょう。
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われわれはこれに向け、卓上型の血液分析装置「メタボライザー」を投入します。通常、血液検査は大型の分析装置をもつ大病院を除き、検体を検査センターに送り、検査結果を待たなければなりません。「メタボライザー」は特定健診で定められた8種類の血液検査項目を網羅。簡単な操作で、しかも大型自動分析装置と遜色(そんしょく)ない結果が得られます。
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ポイントは、この試薬カートリッジ。まず、試薬は大型の分析装置で使われるのと同じ測定原理です。カートリッジにはそれぞれ検査1回分の試薬がパッケージされ、側面に二次元コードをつけています。血液検査というのは、血液と試薬を何μlずつ混ぜて、何nmの波長の光を当てて……と、複雑な測定条件を装置にインプットする必要があるんですね。その情報がすべて二次元コードに詰め込まれていて、カートリッジをセットすると装置がコードを読み取り、それに応じて検査が自動的に行われるという仕組みです。もちろん結果はプリントアウトでき、インタフェースから結果を送信し電子カルテ化も可能です。
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これ1台あれば、日本中どこの医療機関でも血液検査が可能になる。被験者がリアルタイムで血液の状態を実感できるという意義は、非常に大きいといわれています。この結果の良しあしで、ああ努力が実ったなとか、もっと生活を変えなければと考えるわけですから、その場で結果がわかるのと、数日後になってしまうのとでは、指導効果が全然違うわけです。
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そもそも、血液検査のためだけに採血と診断で2度、病院に通うのも、国民全体でいえば膨大な労働時間のロスになる。昨年から外来迅速検査には保険点数が加算されているので、病院の側にもメリットがあります。
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「メタボライザー」の基本モデルである「日立クリニカルアナライザーS40」は、すでに僻地(へきち)医療や、リアルタイムでデータを示しながら診察を行いたいという全国各地の医療機関で活躍しています。
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この装置の利点は、試薬のカートリッジ化によって、検査メニューをどんどん広げていけること。だから、ニーズに応じてカスタマイズも可能です。「S40」は、米国や南アフリカ共和国にも輸出しています。米国のように広大な場所では、血液を運ぶこと自体が難しく、その場検査のニーズが大きい。一方、医療インフラが整備されていない開発途上国でも、簡易に使える分析装置は重宝されるんですね。
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今まさに、医療の現場では「POCT(ポイント・オブ・ケア・テスティング=臨床現場即時検査)」という概念がいわれ始めています。コンピューターの世界にたとえるなら、集中処理から分散処理へという変化です。今までIT化の障害になってきた患者自身や検体のセンシングと情報化がその場で可能になれば、医療のユビキタス化は一気に進むでしょう。「メタボライザー」がその起爆剤になればと考えています。
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