ヘッダをスキップ   IT(情報・通信)総合サイト Japan Site

ナビパラ.コム日立トップページへ


ここからグローバル・ナビゲーション |  ホーム  |  ソリューション  |  イベント・セミナー  |  IT情報  |  経営情報  |  ナビパラ通信  |   コラム  |グローバル・ナビゲーションここまで

    会員登録登録内容確認/変更退会    サイトマップ    お問い合わせ
検索 by Google

 > 詳細な検索


コラム

ここからブレッド・クラム ホーム > コラム > 開発者に聞く > バックナンバーブレッド・クラムここまで

ページタイトル

開発者に聞く



ここから本文
 
このコーナーでは、日立製作所の研究所等で研究・開発を行っている技術テーマを中心としたコラムをお届けします。 研究員にインタビューを行い、技術テーマ解説・開発過程におけるエピソードなどを交えてわかり易くご案内いたします。
ユニバーサルデザインの視点でアクセシビリティを向上させた自治体向け多機能システム「CommunityStation-EX」
■ 車いす使用者のアクセシビリティを高めた足下スペース

− まず、日立が考えるユニバーサルデザインとは何かから聞かせていただけますか。
久保田: 私たちが考えるユニバーサルデザインとは、一人でも多くの人がその製品やサービスを使えるように、ユーザーレンジを広げるための考え方です。例えば、ある製品を利用したいお客さまが何かの理由で使えないとします。その原因をお客さまの立場から考えると、高齢者だったり、障がいがあったり、妊婦であったりするわけですね。日立はモノづくりのプロセスを大事にしてきた会社として、そういった方々一人ひとりに対して、少しでも使いやすいと感じる製品、喜ばれる製品を提供していく使命があります。その姿勢の一つがユニバーサルデザインだということです。
− 今回はその一例として、CommunityStation-EXのお話を聞かせていただきます。こうした証明書自動交付機では、特にユニバーサルデザインが重要な役割を果たすと思いますが、これまでとの大きな違いは何でしょう。
峯元: 従来機の「CommunityStationIII」でも、視覚障がい者の方に音声ガイダンスを行うハンドセットや、聴覚障がい者の方への手話案内ソフト、高齢者や車いすの方にも安心して利用いただける手すりといったユニバーサルデザインを採用していました。しかしその後、車いすの方のアクセシビリティをより高めるにはどうしたらいいか、個人情報保護の観点からディスプレイをATM(現金自動預け入れ・払い出し機)のように水平画面にできないかといった、さまざまな改善案が出てきていました。そして2005年、証明書自動交付機の設置基準が緩和され、より幅広い場所での活用が進んでいくという状況も勘案して、デザインの刷新を図ろうということになったのです。
久保田: 車いすの方の使いやすさを高めるには、乗ったまま正面からアプローチできる「けり込み部」というスペースが必要だということが、ATMデザインの検証からすでにわかっていました。けり込み部がないと、どうしても横や斜めからアプローチする形となり、画面操作に集中している間、膝の上に置いたバッグなどから目が離れてしまう。これでは不安感がありますし、操作する姿勢も楽ではない。それは使う人がほとんど変わらない証明書自動交付機でも同じです。しかし証明書自動交付機ではこれまで、内部メカニズムの配置制限もあり、そういった形状の実現が難しかったのです。それが今回、メカニズムの変更もともなって、縦型だった操作画面をATMと同じ水平方向に持ってくることができました。その結果、画面の下にけり込み部を確保できるスペースが生まれたわけです。これがCommunityStation-EXにおけるユニバーサルデザイン最大の特長であり、車いすの方のアクセシビリティを大幅に高める効果を生んでいます。
図1 車いす使用者のアクセシビリティを高めた足下スペース
図1 車いす使用者のアクセシビリティを高めた足下スペース
※クリックして拡大図をご覧下さい
− 操作画面が水平であるというのは、健常者でも障がい者でも使いやすい効果を生み出すことになるのでしょうか。
峯元: 私はATMのデザインも担当していますが、最近は個人情報を入力・表示する際の安全性に配慮して、第三者からの視線を避けることができる水平画面を採用するパターンが増えています。それは画面の見やすさ、接近操作性の向上を図る意味でも大きな効果があります。つまり、使いやすさとセキュリティへの配慮の両面で有効性を持つのが水平画面なのです。ただし画面角度にはメーカー間で微妙な差があり、他社のATMではまったくの水平、つまり「0度」のものが多くなっています。それに対し日立は車いすの方がより見やすい傾斜させた画面角度を採用していました。そして今回、CommunityStation-EXでは装置の操作性の再検討を行い、さらに傾斜させた画面角度に設定したのです。この画面傾斜は、傾斜角を変えられるプロトタイプを使って、実際の車いす使用者と、立ち操作を行うさまざまな身長の健常者に実験を行い、導き出したものです。
図2 画面角度とユーザーインタフェースへのこだわり
図2 画面角度とユーザーインタフェースへのこだわり
※クリックして拡大図をご覧下さい
− 実際に使う方々の意見を参考に、デザイン開発を進めてきたわけですね。
久保田: 日立では従来から、こうした証明書自動交付機やATM、家電などのユニバーサルデザインを、実際のユーザーの方々の協力を得ながら推進し、ブラッシュアップしてきた歴史があります。今回もデザインの初期段階からさまざまな身体特性や制約のある人たちと一緒に操作性の検証を行い、製品化の最終段階まで数々のトライを繰り返してきました。
能田: 例えばデバイスのレイアウトにしても、実物大の紙模型や実際の装置などをモニターの方にじっくりと触ってもらい、何度も試行錯誤を繰り返しながら細かな配置を決めていきました。障がい者、高齢者だけでなく、機械が苦手な利用者に対しても、わかりやすい手順で抵抗感なく操作してもらうことが大切だからです。その結果、「お金を入れて」「操作して」「発行される」という各ステップに必要な操作口をエリアごとに集約した現在のレイアウトが決定したのです。
久保田: その人が実際に使えるかどうかを細かく検証しない限り、本当の意味でのユニバーサルデザインにはならないんですね。CommunityStation-EXにはテンキーの上の部分に、小さなピンをわずかに上下させて点字を表示する「点字ユニット」がオプションで用意されています。そのレイアウトやくぼみの高さを最適なものとするため、峯元や能田は全盲のモニターのお宅に紙模型を持ち込んで、製品化ギリギリの段階まで徹底的に検証作業を行いました。その意味では本当に最後まで妥協しませんでしたね。

■ 使いやすさに加え、心地よいもの、安心感のあるものをめざす

− カラーリングも非常にすっきりとした印象がありますね。
能田: 機器そのものに、ある程度のボリュームがあるので、なるべく威圧感を与えないスマートな筐体に見せたいと考えました。縦ラインを強調した塗り分けはスリムさを感じさせ、設置空間へ導入しやすいイメージを与えます。同時に、立っていても座っていても接近した際に、装置全体の中で操作する位置を強調する役割も果たしています。
久保田: お金を入れる部分を緑のラインの中にまとめたことで、弱視の方にも「ここは料金を入れるエリアなんだな」と理解していただける効果もあります。
峯元: 細かい部分では、操作を案内するピクトグラム(絵表示)や文字も、コントラストや字体を強調して以前よりわかりやすいものに変えています。
図3 カラーデザインABC案(Bが製品に採用された案)
図3 カラーデザインABC案(Bが製品に採用された案)
− なるほど、あらゆる側面から使いやすさ、わかりやすさを追求したユニバーサルデザインが貫かれているわけですね。今後はどのような形で、このような証明書自動交付機を進化させていきたいとお考えですか。
峯元: 今後は、より多くの場所にこの装置が置かれていくようになるでしょう。そうなると、いかに装置のサイズを小さくしていけるかが1つの課題になってきます。また、証明書自動交付機もATMも使う方々はほぼ同じですから、使い勝手という面でのユニバーサルデザインは統一する方向へと進めていくべきであると考えています。
能田: 装置やサービスは、まず実際に使う人々がそこにいるということを私たちは常に大前提としてとらえています。実際に使って心地よいもの、安心感のあるもの、その先に色や形があるんだというスタンスで、これからもお客さまの意見を最大限に活かしたデザインに取り組んでいきたいと思います。
久保田: あとは、認知障がいのある方や知的障がいのある方でも利用できるわかりやすさがユニバーサルデザインの新たな課題になってくるでしょうね。こうした装置は使う機会が少ないものだからこそ、初めてでも使えることが重要なポイントです。アクセシビリティを高めるための研究には、ハードとソフトの両面から、まだまだ多くの余地が残されていると思います。
− 一人でも多くの方々に使いやすさと安心感を提供する、これからのユニバーサルデザインに期待しています。本日はどうもありがとうございました。
[ Back ] 2 / 3 [ Next ]
本文ここまで


ここからローカル・ナビゲーション
開発者に聞く
ここから1つ下の階層
バックナンバー

ITウオッチング

モノがたり
ローカル・ナビゲーションここまで



イベント・セミナー

助成金・補助金

税金Q&A




ページトップへ

 
ここからフッタ  | サイトの利用条件 | 個人情報保護に関して | 商品名称について | 推奨環境 | 当サイトへのリンクについて |フッタここまで

© Hitachi, Ltd. 2001, 2008. All rights reserved.