「作らない開発」の技術をご説明します。
|
一つ目は、企業内部のIT資産である既存システムを活用する技術です。既存システムは長年の運用で仕様が不明確になってしまっていることが多いのですが、ノウハウの継続活用のために業務仕様回復技術を開発しました。これは、既存のシステムを解析する「ソフトウエア・リエンジニアリング」の応用技術です。プログラムのどこを使って何をやっているかを業務のレベルで見えるようにすることにより、企業独自の実務の方法やルールを理解し、継続的にノウハウを活用できるようになります。
|
二つ目は、外部のIT資産の活用技術です。業務のベストプラクティスが実現された「流通パッケージ」、サービスプロバイダーが強みとしている「外部サービス」、あるいは日立がシステムづくりの現場で解決してきた「ソリューション部品」を組み合わせ、カスタマイズすることで、実績ある業務を実現させることができるのです。
|
三つ目は、内外のIT資産を柔軟に組み合わせる技術です。これは、単に組み合わせて動けばよいというものではなく、業務の変化にITが柔軟に対応できるように連携させることが重要になります。EAI(Enterprise Application Integration)やSOA(Service Oriented Architecture)といった技術がありますが、これらの基盤製品を導入すれば変化に対応できるという単純な話ではありません。業務の基本とバリエーションの構造をきちんと分析してITに実装していくという、業務とITの両面の設計技術が必要になるのです。
|
私たちがこの分野の取り組みを始めて10年以上になりますが、最初は技術的な課題をクリアすることに懸命でした。そして、この10年、「作らない開発」を実現するための技術開発に取り組んできました。現在、これらの技術を用いて、IT資産をビジネスに生かすコンサルティングを展開しています。ビジネスに生かすためには、仕事の流れを見直し、業務を再構築していかなければなりません。私たちは、時代の変化に適応した新しいビジネスモデルを設計し、ノウハウが詰まっているIT資産を活用したシステム再構築を提案します。こうした業務改革を実現してこそ、付加価値のあるコンサルティングとなるわけです。
|
お客様にとっての「作らない開発」の意味を考えてみます。何よりのメリットは、お客様の資産であるビジネスの強みが生かせるということにあります。日本の企業は現場力、現場の工夫・改善に強みがあります。それを情報システムが支えてきたのです。言い換えれば、人と同じように、情報システムも財産なんです。企業の人の流動が激しい欧米では、既存のシステムを継承するという考え方はなじまないでしょう。人がつくってきた企業独自の強みを生かし、継承していくことが日本ならではの「作らない開発」の本質なんです。
|