− 統合管理を実現した技術の仕組みを教えてください。
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吉永: 基本となっているのは、分散しているレコーダやストレージを、あたかも1台のストレージとして使える仮想化技術です(図2)。この仮想化を実現するため、各レコーダやストレージへのアクセスと全フレームの所在管理を行う「映像プロキシサーバ」を新たに開発しました。ここではまず、保存される映像データのフレームすべてにIDを付与します。IDには撮影したカメラを特定する情報や、撮影された順序を示す数値情報が入っており、レコーダ内の映像やセンター側のバックアップ映像はすべて、このフレームIDで一元的に管理されます。次に、分散するレコーダやストレージに対してアクセスを代行する「映像プロキシ」という仮想レイヤを作り、映像を再生する際には“何月何日何時の映像が見たい”というクエリー(処理要求)を投げます。すると映像プロキシサーバが、実際のレコーダやストレージからIDをもとに映像データを取得してくるという仕組みです。これにより、データの保存場所がどこにあるのかを意識することなく、スピーディな検索・閲覧が可能となります。
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図2 監視レコーダ仮想化技術
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長屋: 映像データの所在情報は、先ほどの金融機関のようなケースでは毎秒1万フレームも更新されるため、その更新情報だけでもネットワークには大きな負荷がかかってしまいます。そこで私たちはフレームIDを使って更新に要する通信量を大幅に低減する技術を開発しました。映像プロキシサーバは、各レコーダやストレージから一定の時間間隔で、その時に持っている全フレームの情報を受信しますが、その際にフレームIDの最大値(最新)と最小値(最古)のみを受信することで、通信量を低減させようと考えたわけです。これにより1レコーダあたり、10分間で1kB程度の通信量で所在管理が行えるようになりました。
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− 必要な画像がいつでもスピーディに閲覧できるようになったわけですね。
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長屋: ええ。効果を確認するため、監視エリアと距離的に離れたデータセンターを広域ネットワークで結んだ実験システムを構築しました。監視エリアには過去1か月分の映像を記録するレコーダ、データセンターには過去3か月分の映像を保存するバックアップ用レコーダと過去6か月分の映像を保存するアーカイブをそれぞれ設置し、映像プロキシサーバを経由して、短時間で各画像を閲覧・検索できることを確認しました(図3)。画像へのアクセスは、どのレコーダやストレージに対してもほぼ瞬時に切り替えられるため、人の目からはまさに1台のレコーダを操っているのと同じ感覚で使うことができます。
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− 使い勝手が大幅に向上したわけですね。

吉永: 画像の検索・閲覧にかかわる利便性の向上に加え、アーカイブメディアや保管場所の選択肢も広がることから、運用管理やバックアップコストの低減にもつながると考えています。
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図3 広域ネットワークによる仮想レコーダ実証システム
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