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このコーナーでは、日立製作所の研究所等で研究・開発を行っている技術テーマを中心としたコラムをお届けします。 研究員にインタビューを行い、技術テーマ解説・開発過程におけるエピソードなどを交えてわかり易くご案内いたします。
誰でもどこでも飛ばせる、鳥の目をもつ自律飛行体

− 簡単にどこでも飛ばせる。
ええ、最初に決めたコンセプトは、安全で軽いこと。機体は発泡スチロール製ですから、万一墜落しても危険が少なく、持ち運びも容易です。そして普通にパソコンが使える人なら誰でも飛ばせるようにしようと。それで手投げ・胴体着陸にもこだわりました。

写真は1秒に3コマ撮影し、データ圧縮して記録、リアルタイムでパソコンに送ることも可能です。無線で「止まれ」と指示すれば、その場を旋回しながら撮影できる。ズームしたければ、高度を下げればいい。画像取得が目的なので、できるだけゆっくり飛べるというのも特徴です。よく指示どおりに飛んでくれますね。ロボット的なおもしろさがある。
− 電子機器の総重量は100gとか。
ちょうど携帯電話の中身くらいですね。まずは軽量化との闘いでした。飛行機には気圧高度計や速度計、磁気方位計などさまざまな装置が必要なのですが、それを個別に載せることはできない。すべてセンサーで代替して、データの演算処理も一つのCPU(中央演算処理装置)で済ませました。

位置や機体の姿勢の計算からモーターの制御、画像の撮影、記録、通信まで、リアルタイムで動いているものすべてを1個のCPUでやる。そこで難しかったのがシステムのバランスです。機体の制御に重点をおくと画像が撮れなくなったり、逆に撮影をすると機体の姿勢がおかしくなったり。その際、CPUがどういう計算をしたかは全部ログ(記録)が残っていますから、それを調べてシステムを調整する。1日に10回、20回と飛行試験を繰り返して修正してきました。

今回は、飛行制御やセンサーの処理など、我々にも未知な部分が多い。ハード搭載の限界はソフトでカバーしようと考えました。OSも汎用性・拡張性を重視しました。いずれインターネットにつなげたいという考えもありまして。
− 飛行機がネットワーク基地になる。
これは夢ですが、空中のブロードバンドができたら面白いでしょうね。新しく通信インフラをつくる経験なんてめったにないことですからね。それが実現したら、災害の被災地や、オリンピック会場などでどんどん飛ばしてネットワークを張り、画像を同時中継することも可能でしょう。

そもそも地表面に近い低空は、航空法で有人飛行機が入ってはいけないエリアなんですね。鳥しかいないエリアに無人機は進出できる。そこで何ができるか、この飛行機はいろいろな可能性を秘めていると思います。
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