− そのサービスというのは。
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たとえば花粉といった刺激に対するアレルギー反応、それをブロックする医薬品の作用。こうした生体現象のほとんどは、細胞内で生ずるタンパク質の働きによるもので、それをコントロールしているのがDNAの塩基配列による遺伝情報です。細胞が舞台、遺伝子がシナリオ、タンパク質が役者だと思ってください。

そこで、ヒトゲノム(全遺伝情報)の解読が終了した今、医薬品の開発などでは、どのような遺伝子がいつ、どこで発現するのか、ある薬物がどのタンパク質にどう機能するか、といった研究が重要課題になっている。個体による遺伝情報のわずかな違いを知ることは、個人に合った医療や医薬品の開発につながります。

ところが遺伝子関連情報の肥大化と複雑化に伴い、そうした解析をメーカーや研究機関は自前で処理しきれなくなっている場合もある。それを私どもが代行しているわけです。提供された試料をまず計測・解析する。この技術を「ウェット系」と呼びます。ここまではどちらかというと体力勝負なのですが、さらに、得られたデータをバイオインフォマティクス、つまり「ドライ系」の技術によって情報処理し、有意な知的財産としてお客様に提供する。「ウェット系」と「ドライ系」の両者を統合したサービスを提供できるのは、国内では我々の事業部だけではないでしょうか。

もう一つのサービスはより頭脳労働系で、コンサルテーションです。たとえば機能性食品の有効性の検証など、研究が多方面にわたる場合、どんなテクノロジーを使い、どんなプロセスを経て結果を導くのか、その筋道を立てることから始まります。いわば「研究のデザイン」。セールスサイエンティストならではのソリューションサービスといえます。
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− もともとの専門は分子生物学ですか。
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いや、構造生物学といって、タンパク質など生体物質の三次元的な構造解析です。といっても解析そのものではなくて、解析のための方法論の研究が専門です。それをドクターコースでやって、その後フランスに3年ほど留学し、帰国してまた大学に戻り、日立の中央研究所に入ったのが'82年。遺伝子組み換え技術が確立されて間もないころで、日立もバイオテクノロジーの種を蒔こうと。「何をやってもいい」といわれて入社しました。当初の主な仕事は最先端の研究や技術の情報収集、それと人材集め、組織づくりですね。
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− 解析手法の研究といい、組織づくりといい、まさに「研究のデザイン」。
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研究というのは闇雲に実験を重ねるのではなく、仮説を立て、その結論に至るまでのプロセスをいかにデザインするかが勝負です。規模が大きくなれば、中核になる研究者にはプロジェクトマネージャーとしての役割が要求される。私が日立でやってきたことは、まさに研究者の仕事そのものなのです。ライフサイエンスの分野は、日立グループ全体として非常にうまく組織がデザインされている。今後のメインターゲットであるタンパク質の機能解析を中心に、どんな成果が生まれるか、そして医薬品メーカーなどを通じていかに社会に還元されるか、楽しみです。
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