− 新技術の内容を教えてください。
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藤原: データ保護とオンライン性能確保を両立させる「ハイブリッドデータ転送方式」という技術を開発しました。データベースは通常、格納すべき値としての「データ」と、データを更新する際に、どのような変更を加えたかという「ログ」から構成されています。そのログの部分だけをリモートサイトに確実にコピーしておけば、メインサイトの災害時にもデータ回復を行うことができます。そういった観点から私たちは、これまでのようにデータとログ双方を転送するのではなく、ログの部分だけをリモートサイトに同期転送し、リモートサイト側では、そのログを使って簡易サーバがリアルタイムにデータ本体を更新するという仕組みを考えました。
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− メインサイトのデータそのものは、一切転送しなくていいのですか。
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藤原: リモートサイトの開設時には、メインサイトのDBを初期コピーすることが必要です。しかしその後はストレージ間のリモートコピー機能で、ログのみを同期転送していけば、双方のDBを常に同期した状態に保てるようになります。遠距離でも100%のデータ補償を実現するため、非同期転送方式で課題となっていたデータ欠損の心配はまったくありません。
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− オンライン性能の維持についてはどうでしょう。
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鈴木: ログとデータをともに送る「同期転送方式」が東京−大阪間で40%以下にオンライン性能を低下させてしまうのに対し、「ハイブリッドデータ転送方式」なら同条件で90%程度の性能を確保することができます。通常業務にも、ほとんど影響を与えずにすむことになります。
本技術ではログしか転送していないため、オンラインへの影響が少なくなるのは当然なのですが、それ以外に実は、ログの出力・転送方式に新たな手法を適用したことも大きな効果を生んでいます(図1)。
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図1 従来技術「同期転送方式」と「ハイブリッドデータ転送方式」の違い
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藤原: 私たちはこの技術を「ログまとめ転送」と呼んでいます。乗り合いバスに例えると説明しやすいのですが、従来の「同期転送方式」では、メインサイトのDBがトランザクション(例えば、銀行での入出金処理など)を完了した際、そのログとデータを一人ずつバスに乗せてリモートサイトに運んでいたんですね。またログだけでなくデータも一緒ですからオンラインに負荷がかかりバスの往復の速度も遅い。
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これに対して「ハイブリッドデータ転送方式」では、バスに一人ではなく、たくさんの乗客、つまりはログをまとめて乗せるようにしています。トランザクションを完了した際、すでにバスが出発した後で、乗れるバスがいなければ、複数の乗客を、バッファ(一時的な記憶領域)という待合室に並んで待たせておいて、次のバスが来たときに一斉に乗せて出発させるというやり方です。ログだけの場合、バスが往復する時間というのはネットワーク負荷によらず、あまり変わりませんから、距離が伸びる分だけ往復する回数が変わってきます。しかしその中で1台あたり何人も乗客を乗せることができれば、非常に効率のよい転送が実現するわけです(図2)。
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図2 ログまとめ転送の仕組み
※クリックして拡大図をご覧下さい
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