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Interview & written by : えのきど いちろう
この記事は「ひたちSpring2005」の「えのきどいちろうの最先端ウォッチング-その32」より転載したものです。
「二交点セル方式」は、挫折と努力の積層から生まれた結晶だった。
DRAMの二交点セル方式
今日、世界のすべての半導体メモリーDRAMに採用されている「二交点セル方式」を開発した伊藤清男フェローは、昨年、『研究バカが出世する』という本を上梓した。その冒頭で「私は努力する才能に恵まれました」と語っている。その努力の凄さを伺うのが今回のテーマである。
■ 「大業績の人」に逢う大緊張

 半導体メモリーの研究で、数々の業界標準技術を打ちたて、自らの特許を使ったDRAMの世界総生産が、80年以降で実に何と30兆円を超えるという、伊藤清男フェローを取材することになった。これは「大業績の人」である。あまりにも「大業績の人」なので、日立は初代フェローという新たな役職を設けて、これに任じている。
 科学記者でも何でもない一介のライターが、そうカンタンに取材できる人ではない。これまでも東京・国分寺の中央研究所へ向かう中央線特快の車中で、緊張しなかったためしはないけれど、今日という今日は大緊張した。「大業績の人」に逢う大緊張は、それに見合っているというのか、無理もないと思われた。
 そうしたら応接室に出て来られた「大業績の人」は、想像と全然違う方なのだった。いや、僕は「実るほど頭を垂れる稲穂かな」といった処世訓めいた話がしたいのじゃない。実際にはその通りであったけれど、僕が受けとった衝撃は、また別のことだ。青年だった。身体的には昭和16年の生まれということだから青年である道理がない。けれど、ああ、この人の内側には青年がいると思った。真空保存でもされたように、「大業績の人」の内側には、ゆらゆら揺れる感受性や燃えたぎるエネルギーがある。そして、それは不思議に納得のいく事柄でもあった。
(2005年4月20日掲載)


日立製作所 フェロー
伊藤清男
日立の研究者を訪ねる旅人
えのきどいちろう
”新しい分野は若い人に任さなきゃいけない。それは失敗できる時間があるからです。 未知の、誰も恐れてやりたがらないところを 思い切ってやることで成長するんです。”

”伊藤さんの内側に青年を感じたインスピレーションは間違っていなかった。日立はこの「大業績の人」を大いに誇るべきだ。”

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