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このコーナーでは、日立製作所の研究所等で研究・開発を行っている技術テーマを中心としたコラムをお届けします。 研究員にインタビューを行い、技術テーマ解説・開発過程におけるエピソードなどを交えてわかり易くご案内いたします。
命をつかさどる医薬品の国際法規制に応えて製薬会社との共同作業で「価値」を創造
■ 企業全体の取り組みが必要な「Part 11」


「『Part 11』は、医薬品の安全性や品質を保証する文書の電子記録と電子署名に関して、世界で初めて施行された基準です。単に電子化するならシステムの問題ですが、ちょうどISO(国際標準化機構)の品質・環境管理規格と同じく、その対応には、企業としてポリシーを策定する必要があります。そして、ポリシーに沿って機能を組み込み、運用手順とその遂行を徹底し、コンピューターバリデーション(機能と性能の検証)を確実に行うことが求められます。

日本の製薬会社が世界に医薬品を輸出し、欧米の製薬会社と提携するケースも増えていますから国際ルールへの適合が不可欠ですし、日本の承認申請もいずれ電子化されることになります」と、磯田英一は医薬品業界を語る。

日立は、「Part 11」に対するソリューションサービスに先駆的に取り組み、現在、この分野でトップの実績をあげている。
■ マーケットから考えて価値を創造する


1993年入社の磯田は、現部門の前身であるシステム事業部に配属された。

「マーケットから考えて日立グループの広範な製品・技術・サービスを生かしたビジネスを創出することがテーマでした。私は『医薬品・食品・化粧品』グループに属してシステム提案に力を注いできました。各部門の事業をつなぐだけでは大きな価値は生み出せないので、ユーザーに近いポジションにいる自分にしかできない事業を興したいと思っていましたが、5年間はまったく成果が出ませんでしたね(笑)。そんなおり、ある製薬会社のシステム担当者から『Part 11』への対応で困っているという話を伺い、日立の技術と信頼性を生かせるのはこれだ、と直感しました」

医薬品の承認申請には、動物実験、臨床試験、製造設備やプロセス、生産管理データなど膨大な書類が求められる。内容が国によってまちまちなうえ、製薬会社では情報をすべて電子データとして記録しているのに、紙文書で提出するのが決まりとなっていた。電子データで提出できれば開発スピードも向上するのだが、命に関わる分野だけに電子データの信頼性を確保する仕組みが欠かせない。その一番手が「Part 11」だ。これをどう解釈してポリシーをつくり、どう運用すればいいかというのが製薬会社の悩みだった。
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