− 金さんがこの技術を開発されたきっかけは。
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金: 私は韓国の大学を出てから日本に留学し、大学院でリニアモーターや磁気浮上、超伝導などの研究を続けてきました。その後、日立製作所に入社してからは、主に回転モーターの開発に従事していましたが、どうしても学生時代の専門分野でやり残したことがあるんじゃないかと、心の中のモヤモヤが続いていたんですね。小さくてもいいから、せめて何か自分自身の力で1つの原理と呼べるものを生み出したい――それが夢でした。
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開発に携った情報制御第一研究部 研究員の皆さま
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そうこうしているうち、ある日突然、頭の中で新しい原理がひらめいたんです。「これだ!」と。早速、木箱でイメージを作って同僚や上司に見せました。その時の評価はいろいろだったんですが、その後も仕事時間以外に地道に研究を重ねながら周囲への説得を繰り返しました。そして進退をかけるつもりで3年前、「ぜひ、これだけに専念させてくれ」と訴えましたら、本社の幹部が「じゃあ、やってみなさい」と(笑)。それからチームを組んで本格的な制御技術や生産技術にも取り組みながら、ようやくここまでたどり着いたことになります。
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− 努力が実られてよかったですね(笑)。ところで気になるのは実用化の時期と今後の展開ですが。
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金: まずは応用製品の要求仕様に応じた最適システムの構築を進め、1〜2年後の実装置への適用を目指します。次の段階としては、より幅広い製品への適用とともに、今までの駆動装置では不可能と思われていた環境を作りだし、さまざまな研究開発に役立てる技術として育てていきたいですね。
例えば現在の40Gを100Gぐらいまで高めることが可能なら、無重力状態などの環境を擬似的に再現できるかもしれません。
とにかくトンネルアクチュエータのアイデアというのは、原理的に言えば100年前に生まれてもおかしくないものでした。今の世の中では新技術がどんどん生まれ、短いサイクルで移り変わっていきますが、このアイデアはシンプルであるがゆえに「原理」として育てていけるものだと思います。できればこれから何百年も生きる技術になっていってほしいですね。
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− 期待しています。今日はどうもありがとうございました。
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