− 従来のP2P技術には、乗り越えるべき課題があったということですね。
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松原: これまでのP2P通信では、端末が自由にデータの送受信を行うため、データの機密性が低下したり、違法な用途に使われるといったセキュリティ上の危険性が指摘されていました。今回私たちが開発したのは、こうした安全性の問題を解消し、高いセキュリティのもとでのファイル共有技術です。特に重要な機能は3つあります。ひとつは「中央管理サーバ」によってシステムの集中管理ができること、2つ目は携帯電話やPDAからのモバイルアクセスを実現したこと、そして3つ目は「仮想ディレクトリ」によって膨大なファイルを整理し、ユーザビリティを向上させたことです。
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− それぞれの特長を教えてください。
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三木: 本システムでは中央管理サーバが、ユーザー認証、ファイルへのアクセス制御、ファイルデータや通信の暗号化、ユーザー操作のログ記録などを受け持つことで、端末間の通信を制御し、高度なユーザー管理と情報セキュリティを実現します。従来のP2Pでは、ユーザーどうしが自由にデータを交換できる一方で、サービス提供者は何が起きているのかわからない状態が一般的でした。しかし今回の技術では中央管理サーバで集中管理できるため、キャリアやISPは既存のユーザー情報や課金システムを活用して、セキュアな環境下で新たなP2Pファイル共有サービスを提供できるようになります。ビジネスユースでも、きめ細かなアクセス制御やファイルの暗号化により、安全なファイル共有が実現するのです。
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松原: P2P通信は従来、端末側にある程度の処理能力がないと参加できない世界でした。しかしユビキタス情報社会では、携帯電話やPDAなどのモバイル端末を外すわけにはいきません。そこで、管理サーバの他に「P2Pファイル共有ゲートウェイ」という処理代行ノードを設置し、ここでモバイル端末と他のPC端末とを仲介をする仕組みを考えました。Webブラウザが使える端末なら、どこからでもP2Pのファイルアクセスが可能となります。
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図2 モバイル端末によるファイルアクセス

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− 自分のPCにある書類や画像を、外出先でも携帯電話から見られるわけですね。
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松原: 簡単にできます。本技術では、さまざまな端末がP2Pネットワークに参加できるため、サービスの幅も大きく広がる可能性があるのです。
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− それも大きな特長ですね。
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松原: また、もう1つアピールしたいのが「仮想ディレクトリ」機能です。P2Pのファイル共有は、ファイルが各端末に分散して置いてあるため、膨大な量のファイルを一元管理するのは非常に難しく、検索も容易ではありません。そこで本技術では中央管理サーバの中に、実際には各端末に分散しているコンテンツ情報をカテゴリ別に整理し、1つの仮想的なディレクトリ情報として提供します。キーワードでの検索性が高いだけでなく、フォルダをたどっていくことで目的のコンテンツも簡単に見つけられ、ユーザビリティが大幅に向上します。フォルダごとにアクセス制御を設定できる点も便利だと思いますよ。
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− 今後の展開は。
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松原: 今回開発したP2P技術は、IPv4/IPv6の双方で使えるものですが、特にIPv6のメリットを最大限に生かせるアプリケーションとして、キャリアやISP、企業のお客さまに、その可能性と付加価値の高さをアピールしていきたいと思います。

三木: 最近よく、エクスペリエンス=「今までになかった体験」という言葉が使われるようになりました。P2P通信も実際に使ってみたらこんなに便利なものだったのかと、きっと感動していただけると思います。そうしたアプリケーション開発にこの技術を役立てるため、今後も潜在的なニーズの掘り起こしやプロトタイプの開発に力を入れていきたいと考えています。
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図3 利用イメージ・モバイルワーカー向けファイル共有

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− 本日はどうも、ありがとうございました。
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