





このコーナーでは、日立製作所の研究所等で研究・開発を行っている技術テーマを中心としたコラムをお届けします。
研究員にインタビューを行い、技術テーマ解説・開発過程におけるエピソードなどを交えてわかり易くご案内いたします。
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古代出雲の伝統を受け継ぐ、鉛フリーはんだボールをつくる 「玉作」たちに逢った「均一液滴噴霧(UDS)法」
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■ 極小の鉛フリーはんだボールを製造する「均一液滴噴霧法(UDS法)」
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◆鉛フリーはんだとは
私たちになじみ深い「はんだ」は、鉛とスズの合金。最近は、環境汚染を防止する配慮から、鉛を使用しない「鉛フリーはんだ」が使われるようになってきました。
「はんだ」の特色は、きわめて低温(183℃程度)で溶けること。この特性に近い「鉛フリーはんだ」として、スズ−銀系、スズ−銀−銅系、スズ−銀−銅−ビスマス系、スズ−ビスマス系、スズ−銅系、スズ−亜鉛系などが目的別に使われています。
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◆均一液滴噴霧(UDS)法
これまでのはんだ製造(油中造粒法)は、細線を輪切りにするか箔はくを打ち抜いた円筒状の材料を、加熱した油中をくぐらせて球状に凝固させます。工程が多く、加工しにくい材料があり、小径ボールも不得手、油脂による品質劣化などの課題があり、生産性が低いという問題がありました。
これに対して、日立金属が開発・製品化した「均一液滴噴霧(UDS)法」は、溶けた材料に超音波振動を加えながらルツボの底から噴霧します。材料は表面張力により均一な真球となり、回収チャンバーを落下するうちに冷却されて回収されます。ルツボの穴の大きさと振動のかけかたで、はんだボールは極小サイズまで自由にコントロール可能です。あらゆる素材に対応でき、油不要、ボールの組成・サイズにばらつきがなく、きわめて生産性が高いのが大きな特長となっており、半導体チップのはんだ付けに活用が広がっています。
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◆均一液滴噴霧法(UDS)

※クリックして拡大図をご覧下さい
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■ 取材を終えて
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次の展開を佐藤光司さんはこう語る。
「シナリオは一応考えてまして、うちの工場にはストリップという薄い鋼材の工場と、ワイヤーの工場があるんです。面と線、これは形で規定された工場ですよね。だったら次は、球の工場かな、と。いろんな真球を作れる球のデパートにしたいな、と思っているんです。世の中に単一サイズの球を売り物にした工場ってないんです。だから、これを突破口にして世の中に広めていきたいんです」
僕が連想したのは古代出雲の玉作(たまつく)り集団である。現在のJR西日本の駅名では山陰本線の「玉造温泉」にその名残がある。ただし、かつて作られていたのは勾玉(まがたま)や管玉(くがたま)。佐藤さんの冶金プロジェクトのように真球ではない。
けれど土地の記憶はおそろしいじゃないか。産業のとてつもない運動に対応しながら、不思議な連続を見せる。出雲の国は「三種の神器」の昔から、先端技術へ向けた、人の意欲に感応する土地かも知れない。
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(取材・文 えのきど いちろう)

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日立金属株式会社
日立グループの高機能材料メーカー。創業は1910年にさかのぼり、わが国最初のマレブル(黒心可鍛鋳鉄)品を製造して以来、高級特殊鋼を中心に事業を拡大。現在は、高級金属製品、電子・情報部品、自動車用高級鋳物部品、設備・建築部材を手がけ、数多くのトップシェア商品を有している。
安来工場は、「YSSヤスキハガネ」で国際的に知られる特殊鋼専門工場。製鉄、原子力分野から、ジェットエンジンのタービンブレード、各種工具・工作機械、自動車、家電製品に用途が広がっている。刃物の分野でも圧倒的に支持され、例えばカミソリの替刃では世界シェアの50%以上を占めている。
http://www.hitachi-metals.co.jp/
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安来工場(海岸工場)
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