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Interview & written by : えのきど いちろう
この記事は「ひたちSummer2004」の「えのきどいちろうの最先端ウォッチング-その29」より転載したものです。
古代出雲の伝統を受け継ぐ、鉛フリーはんだボールをつくる
「玉作」たちに逢った「均一液滴噴霧(UDS)法」
出雲は、砂鉄から鉄を作る「たたら製鉄」のふるさとだ。その直系ともいえる日立金属安来工場は、「YSSヤスキハガネ」のブランドで、ジェットエンジンのタービンからカミソリ刃まで、数多くの世界シェアトップ製品を生み出している。
しかし、今回は、ハガネではなく「はんだボール」だ。環境にやさしい極小の「鉛フリーはんだボール」の画期的な製造法を確立した3人の研究者に逢うために、「古代神話のふるさと」に飛んだ。

■ 「たたら製鉄」の直系工場

 日立金属安来工場は、とてつもない由緒を持つ工場だ。出雲の国は「神話のふるさと」として観光客の人気があるけれど、日立金属安来工場こそ「稼働している産業考古学」とでも呼びたい、日本一のスポットだ。何しろ古代製鉄から連続する「たたら製鉄」の直系なんである。前身は明治32年、出雲・伯耆(ほうき)のたたら師5名が共同出資して興した「雲うん伯ぱく鉄鋼合資会社」だ。たぶん間違いなく三種の神器の宝剣を作った製鉄文化がここにつながっている。日本鉄鋼史の源流がここに記憶されている。
 だからヤスキハガネの取材でなく安来工場を訪れたことは少々、意外な気がした。安来の「海岸工場」は文字通り、中海に面した立地で、正面には安来節に唄われた十神山、手前の木戸川河口寄りにはかつて付属の展示施設だった「和鋼博物館」が所在する。
(2004年7月28日掲載)


日立金属株式会社 安来工場 新素材センター
SB推進室リーダー 工学博士 佐藤光司
日立金属株式会社 生産システム研究所
主任研究員 伊藤元通
”ハガネにとって「はんだ」は不純物。伝統をいい意味で打破しようと思った。これをきっかけに、「精密な真球を作るデパート」にしたいと思っています。”

”形状不良のボールは一個も出さないための全数検査。人がやらないことをやりたいので、できると思ってないのに引き受けて、ずいぶん苦心しました。”



日立の研究者を訪ねる旅人
えのきどいちろう
日立金属株式会社 冶金研究所
研究員 藤吉優
”「鉛フリーはんだボール」づくりから連想したのは、古代出雲の玉作集団である。出雲の国は、先端技術へ向けた、人の意欲に感応する土地かも知れない。”

”はんだがジワーッと変形していく挙動を、はんだボールの大きさで見た人はいません。新しい合金系の変化を自分の目で確かめてデータにするのがテーマです。”

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