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開発者に聞く



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このコーナーでは、日立製作所の研究所等で研究・開発を行っている技術テーマを中心としたコラムをお届けします。 研究員にインタビューを行い、技術テーマ解説・開発過程におけるエピソードなどを交えてわかり易くご案内いたします。
人と社会のつながりをプロデュース
■ コミュニケーションを深める情報技術


屋敷知の考えるトータルライフサポート、新しい医療サービスとはどのようなものか。

住居学科を卒業した屋敷は、一時インテリア会社に勤めたあと大学院に入って「福祉」に出会った。恩師の小川信子日本女子大学家政学部教授(当時)は、住環境にとどまらず福祉や保育など幅広い研究で知られる。その小川教授についてスウェーデンや米国を訪ね、先進的な福祉環境を見てきた。

「スウェーデンでは街中に老人ホームがつくられ、上のフロアが保育園になっていたりします。高齢者もハンディキャップをもつ人も一緒に暮らすことを基本にして街づくりが行われているのです。この経験を通じて、人が互いに影響を及ぼしながら生きていく社会環境に興味をもつようになりました。そして、人や社会の新しいコミュニケーションとして情報が大きな役割を果たすのではないかと考えたことが入社動機です」と屋敷は語る。

日立に入社した屋敷は、総合住宅システム推進本部に籍を置き、ホームオートメーションにつながる事業構築にあたった。日本にまだ定着していなかったバリアフリー思想を製品に反映することを訴えてきた。その経緯もあって、1995年に日立の健康保険組合が計画した介護老人保健施設「しおさい」のプロジェクトに参加することになる。

■ 住み手の発想で考える


介護老人保健施設は、家庭と病院の間をつなぐ施設として、リハビリテーション、看護、介護を行う。「しおさい」は、日立の最新技術を投入してモデルになるような施設をめざすことになった。屋敷らは「40回以上もミーティングを重ねて」構想を固めていった。従来のイメージを払拭するホテルのような明るい空間、歩行支援ロボットなど最新の機器、ゆとりある個室。そこに、屋敷の「住み手=入所者にとってうれしい」アイディアが採り入れられている。例えば、入所者につけてもらう「ICタグ」。徘徊性がある人も閉じ込めるのではなく、ICタグにより館内で自由に行動できるようにした。施設特有の匂いを除去する空調装置。緊急時などに威力を発揮するスタッフのPHSなどの情報端末。入所者の食事内容やリハビリ情報をまとめた「安心カード」を介した病院との連携強化の実証実験などだ。いずれも装置が黒衣(くろご)になって、さりげなく入所者をサポートする。

1998年にオープンした「しおさい」は全国から注目を集め、見学者が殺到した。同様の施設を日立に求めるケースが増え、最近は有料老人ホームづくりも進められている。



リラクゼーションシステム
施設介護支援システムーはいかい検知システム
介護老人保健施設「しおさい」で適用しているシステム
(介護老人保健施設「しおさい」の設備・システムの概要はこちら
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