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Interview & written by : えのきど いちろう
この記事は「ひたちSpring2004」の「えのきどいちろうの最先端ウォッチング-その28」より転載したものです。
光トポグラフィは確実に5年分前進し、生後2日の赤ちゃんの“言語認識”に届いた
「光トポグラフィ」
5年前のこのシリーズ第1回目が「光トポグラフィ」だった。
そのとき、研究レベルだった「てんかん発生部位の特定」が実用の段階に入り、指の静脈像を使った「生体の鍵」というユニークな応用が生まれ、いままた、牧 敦主任研究員によって、生後間もない「新生児の言語認識」という新しい芽が育ってきた。脳の地図(トポグラフィ)はどんどん広がり、応用の版図は拡大しつづける。最先端の5年とは、そういう凄い時間なのだ。
■ 五年間の発展の定点観測

 僕はふだん、この取材シリーズで垣間見るような、何というのか「理系の最先端」みたいな世界とはまったくカンケイない仕事をしていて、実際、現場では御迷惑ばかりおかけしているのだ。それでも定点観測的に日立の研究者からお話をうかがう機会を持つのは、とんでもなく刺激的なことだと思う。
 今回は「光トポグラフィ」技術の最新の成果である。基礎研究所の牧 敦さんのチームは、昨年秋、「乳児が生後二日目から言語を認識している」ことをこの技術で確認した。読者もびっくりでしょう、生後二日目ですよ。発表と同時に素晴しい反響を巻き起こした牧さんのチームなんである。
 で、実は五年ほど前、この取材シリーズは「光トポグラフィ」技術からスタートしている。そのときの感動や驚きがなかったら、僕はとてもこの畑違いのシリーズが続けられなかったと思う。当時のお話をうかがったのは、日立のスター研究者・小泉英明さん(研究開発本部技師長)だった。牧さんは小泉さんの後継者にあたる俊英である。僕は今回、「ひとつの技術の発展を見る」という、本当の意味で定点観測的な仕事をさせていただくチャンスを得た。
(2004年4月21日掲載)


日立の研究者を訪ねる旅人
えのきどいちろう
日立製作所 基礎研究所
主任研究員 牧 敦
”牧さんが取り組んでいる研究は、人文科学的な「人間とは何か」「生きるとはどういうことか」といったテーマと交錯していてエキサイティングだ。”
”光トポグラフィという言葉には、脳の機能野の地図を作るという発想があります。その地図は成長とともに変化する。それを今、追いかけはじめたところなのです。”
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