− 今回開発された「二値画像電子透かし技術」ですが、二値画像というのは?
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藤井: 白と黒で構成された画像情報全般を指しますが、ビジネスの現場では圧倒的に流通量の多い、モノクロ印刷された文書や図面、地図などがこれに当たります。日立ではすでに、カラー画像用の「Keymate/Mark」、デジタル動画用の「動画電子透かしプログラム」というハイレベルな電子透かし製品を持っており、業界内でも高い評価をいただいています。今回の技術は、それらで培った技術やノウハウを二値画像用に拡張したものです。
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− カラーや動画より白黒の方が、情報を埋め込みにくいのですか
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藤井: 考え方が、かなり異なります。カラーでは色彩や階調といった微妙な色彩表現が可能なため、色や明るさを微妙に変えることで情報を比較的容易に埋め込めます。しかし二値画像では、色が白と黒の二通りしかなく、情報を埋め込むには白い部分を黒にするか、白の部分を黒にするかしか方法がありませんでした。このため、情報を埋め込んだ変更点のアラが目立ち、知覚されないようにするのは非常に困難だったのです。
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− そこで、新しい考え方を導入したということですね。
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藤井: はい。認知科学で実証されている「人間の視覚特性」を基にし、特に「ゲシュタルトの法則」を適用しました。
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− 内容を詳しく教えてください。
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藤井: 拡大した文字のサンプルでご説明します。ある文字の中に「切れ目がある場合」「背景にノイズがある場合」「輪郭に、にじみがある場合」を考えます。もし、それらの条件を取り除いても、人間の視覚特性では画質劣化は招きません。これは認知科学で実証されています。さらに、認知心理学で「人間の目は単純な図形を、より単純になるように知覚する」とした『ゲシュタルトの法則』も重ね合わせると、ある文書の原本の、さまざまな文字の中にある「切れ目」をふさいだり、「ノイズ」を取り除いたり、「にじみ」を平滑化したりといった形で情報を埋め込んでも、人はその文書に画像劣化を感じないということになります。
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従来の二値画像への電子透かし技術では、文字や図形の輪郭部分にのみ着目し、そこに微妙な変化を与えることで情報を埋め込んでいました。その結果、文字の中で変更が加わると非常に目立ちやすい部分にも、一律に変更が加えられ、文字や図形として見た場合、非常に違和感を感じさせていたのです。
一方、私たちの方法では、変更が目立たない部分を優先的に選び出しながら、最適な視覚特性によって情報を埋め込むため、画像劣化が非常に少なくなります。
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※クリックして拡大図をご覧下さい
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想定される使い方としては、例えば重要施設の図面を社内で参照するたび、利用者IDを自動的に埋め込むように設定すれば、その誰かが不正にコピーして持ち出しても、後から、不正利用者の特定ができる。こうして文字でも図面でも適用できるのが大きな強みだと思います。
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